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梅々

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にゃん

昨日はバイト終わって賢者タイム入ってたらブログ書くの忘れてましたばか。

とりあえず今日ばさら届いたので明日やる。
ピンドラ最後まで見ました。しびれるねぇ……。運命の果実をいっしょに、って土方が沖田に言ったらいい。逆もいい。見終わってMAD探してたら冠ちゃんの声がジャイアンなことして驚いた。確かに!
感想はおいおい。
最後の手紙に感動しました。






ではきりのいいところまであげときます、なにゃんこの日ネタ。続きもそもそうってます。
とりあえず土方+沖田。













 五寸釘を左手に持ち、携帯の液晶をつける。午前二時二十二分。時刻を確認してから携帯を仕舞い、いつものように釘を打ち付けた。
 大嫌いな憎らしい顔に、深々と刺さる釘。金槌で打ち付ける度に、藁人形の四肢が跳ねる。脳内では土方さんが同じように四肢を跳ねさせて、うっと呻く。堪らない。苦しんだ顔が見たい。俺の悪戯を許す瞬間の、呆れたようでいて優しい顔を見たい。結局は俺を許す、アンタが好きだよ土方さん。
 十分に打ち付けてふぅと息を吐いた。今度こそ成功しますように。
 願いを込めて釘の先に唇を当てると鉄の匂いがした。





ひみつのじゅもん





 爽やかな二度寝から起きて、もぞもぞ時間を確認すると土方さんが起こしに来る時間より三十分早かった。その上瞼が重くない。珍しい。三度寝はできそうにないからうーんと伸びて、それから隊服に着替え土方さんの部屋へ向かうことにした。
 早起きした俺を見て眉を寄せるに違いない。今日は槍が降るのか、とか本気で言うに違いない。折角だから面白い反応を見せてくれ。
 タイまで完璧に整えて洗面所で念入りに身嗜みをチェックしてから土方さんの部屋へ向かった。

「おっはよーございやす」

 勢いよく障子を開ける。燦々と朝日が降り注ぐ、その部屋には誰もいなかった。

「あれ?」

 布団は畳んであるが部屋の角にあって、いつものように仕舞われていない。刀も携帯も、煙草もライターも置いてある。なのにそれらの持ち主だけがいない。

「土方さん?」

 もしかしたら昨日の呪いが成功したのかもしれない。そもそもあれがなんの呪いか忘れちまったけど。
 でもただ手洗いとか風呂に行っただけの可能性もある。仕方ないから待つか、と文机の前に座ると同時にかさり、音がした。
 部屋の中だ、しかも何かいるらしい。気配がする。暇潰しがてら正体を確かめようと、音の方へ四つん這いで進む。布団の山のほうだ。
 奥を覗き込もうと布団に手を置くと同時に薄闇から何か飛び出した。反射的に手を伸ばす、ふさふさなものが手に当たった。擽ったい、思いながらも逃げられないよう両手で抱き上げた。

「……猫?」

 それは真っ黒い猫だった。艶やかな毛並みに、うっすらと雲がある空のような瞳をした猫。土方さんの目の色のに似てる。怯えた様子に抱き上げたまま何もせずにじぃっと見つめていると、ふいと目を反らされた。
 こいつは何なんだろう。なんで土方さんの部屋にいるんだろう。あの土方さんが猫を飼うとは思えない。迷い込んだのか。それにしては警戒心が強そうだ。
 とりあえずぎゅっと抱き締めると、ミャッ!? と毛が逆立った。本当に警戒心が強い。こういうのはあんまり迷い込んだりしないのに。
 なんて悩んでいたら、足音が近づいてきた。土方さんのではない、静かなこれは。

「副長入りますよー」
「ザキ」
「のわっ!? 沖田さん?」

 大袈裟に飛び退いて、足を滑らせて尻餅をついた、山崎がはわわと唇を動かした。いつも以上にビビりだ。油断しすぎだろう監察のくせに。
 じっと見てたら、少し照れ臭そうに体勢を直して山崎が立ち上がった。持っていた書類を文机に置いてからどうしたんですかと此方を見る。

「山崎この猫知ってる?」
「猫、ですか」
「此処にいたんだけど」
「……さぁ。迷い込んだんですかね」
「土方さん知ってる?」
「それが、探してるんですけど……」

嘘じゃなさそうだ。真っ直ぐに俺と猫を見たまま、ううんと首を傾げる。
土方さんがいないなら仕方がない。この猫で遊ぶかと足の付け根を抱えて腕を伸ばす。慌てたようにバタバタするのが可愛い。くすりと笑うと猫の動きがぴたりと止まった。その上ふいと顔を背ける。おやおや。なんだその反応。猫らしくない。俺が知ってる猫は皆擦り寄ってくるのに。
 それがまた珍しくて、鼻先を擦り寄せようとしたら嫌々、と暴れられた。

「よし、今日からこいつは一番隊隊長の小姓でさ」
「ええええ!?」

 山崎の声に合わせるように猫がぶんぶんと首を振った。人間ぽい仕草だ。土方さんを揶揄うまでこいつで暇を潰そう。
 なら名前をつけないとなと、膝の上に置いて足の間に手を這わす。むぎゅっ、と握れるものがあった。

「ミャアア!!」
「わあああ!」
「お前オスかぁ。じゃあとうしろうな、お前の名前」

「沖田さん、やっぱりその猫俺が飼い主探しますよ」

「えー? 今日からこいつは俺の家畜なんでさ。なぁ、とうしろう」

 頬に頬を擦り寄せると今度は鳴かなかった。抵抗もせずになすがままだ。この猫面白い。
 でも、土方さんに見つかったら捨てられちまう。そう気付いてとうしろうを抱いたまま立ち上がる。山崎が俺の行動を目で追う。それが、いつもの山崎の視線とは違う気がした。

「何か用あんの、山崎」
「あ、いや、ないです」
「そ。あ、あとで部屋行くからお汁粉用意しといて」
「はい」

 文句なく受け入れたのにいぶかしむ。いつもは一言二言、のび太みたいな口調で文句言うのに。障子を閉める間際、隙間からも山崎がこっちを見ていて少し不愉快な気持ちになった。
まあいい。腕の中にとうしろうがいる。今日はコイツで遊んでやるんだ。うさを晴らすんだ。

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