梅々
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なぜこうなった
アンケートが中々予想通りの方向に進んでいて楽しいです。
押してくださった方、ありがとうございます!
んでBAD APPLE!!は早くカラオケで配信されれば良いです。
では、小ネタのはずが普通に長くなりました。ほのぼの系?な土+沖です。
童歌歌う沖田さんが可愛すぎるww
押してくださった方、ありがとうございます!
んでBAD APPLE!!は早くカラオケで配信されれば良いです。
では、小ネタのはずが普通に長くなりました。ほのぼの系?な土+沖です。
童歌歌う沖田さんが可愛すぎるww
桜の散る様は
命の散る様のようで
明日の約束
「通りゃんせ、通りゃんせ~ここはどこの細道じゃ~天神様の細道じゃ~ちっと通らせて・・・」
呑気に歌いながら、夜の見廻りをしていると前方の公園から見知った人間が出てきた。今日は違う地区を見回り中のはずだ、もしかしてサボりか。
歌うのを止めそのまま歩く俺に公園から出る前に気付いたのか、もしくは俺に会いに来たのか、煙草に火をつけながら男は近づいてきた。
「行きはよいよい、帰りはこわい、だっけな?」
「アンタと一緒ならそりゃ怖い」
肩を竦めて言えば何か言いたげな視線を寄越したものの、火をつけることに夢中になっている。煙草とライターを手で覆う。
今日は、春のような天候だった。生暖かい風に優しい日光。室内の方が寒いような日だった。明日はまた、元の寒さにもどるようだけれど。
「夜だってのにちっとも寒くねぇな」
「桜が咲いてそうな感じですよねィ。梅が見所だってのに」
漸く煙を吸い込みながら土方は歩き出す。だから俺も、その少し後を歩き始めた。
温い風が髪を拐う。首筋をぬくったいそれが撫でて、気持ち悪い。春かぁ、と呟くと、ちらりと土方は俺を顧みた。
未だ二月なのに、思うが梅は春告げ草とも言うし、決して早くはないのだろう。春なんて、来なければいい。
「春眠暁を覚えず。・・・てめぇは年中そうだがな」
「土方さんが寝かしてくんねぇからだろィ?」
「バカ言え。俺は安眠させてやってんだよ」
こんな言い争いで本気で睨んでくる土方はとても幼稚だ。第三者が聞いたら変に勘繰るだろう言葉の応酬なのに、気にも止めていない。
ここら辺は住宅街であるからにして、この時間になるととても静かだ。街灯以外地上には照らすものがない。だから空を見ると、ぼんやりと星がありそしてたまに、宇宙船が白い光を放ちながら通る。この辺りでは、他の星の人はあまり見ない。
そんな風に空を見ていたらいきなり、クイッと手首を掴まれた。それによろけると、ぎゅうっと抱き締められる。いくら閑静で真っ暗だとは云えども、ここは公道。
だから逃れようともがけども、土方さんは離してくれる気配がない。
脈絡ないなってよく言われるが土方だってないじゃないかと真面目に思う。
「・・・明日は寒いんだよな」
「へい」
「よし。明日はおでん奢ってやる」
優しい声色が告げたものだから素直に頷けば拘束は解かれた。だから顔を見上げると、声と同じように優しい笑みを浮かべていた。
明日の約束なんて簡単にしちゃっていいの。口の中でもごもご言って、投げ掛けはしなかった。
「春って頭がわきやすよね。アンタも?」
「誰の頭が沸いてるっつうんだ。・・・ほら、早くかえんぞ」
春は胸騒ぎが酷い。南風が焦燥を連れてくる。それに当てられた俺と同じように、土方も当てられたのだろう。
手離したくない、まだ。
ずっと今のままあればいい。
「おんぶ、土方さん」
寝言は寝て言え。
返しながらも妥協案を寄越され、おとなしくその手を握った。
冷たい指先が、なんだかとても愛しい。
命の散る様のようで
明日の約束
「通りゃんせ、通りゃんせ~ここはどこの細道じゃ~天神様の細道じゃ~ちっと通らせて・・・」
呑気に歌いながら、夜の見廻りをしていると前方の公園から見知った人間が出てきた。今日は違う地区を見回り中のはずだ、もしかしてサボりか。
歌うのを止めそのまま歩く俺に公園から出る前に気付いたのか、もしくは俺に会いに来たのか、煙草に火をつけながら男は近づいてきた。
「行きはよいよい、帰りはこわい、だっけな?」
「アンタと一緒ならそりゃ怖い」
肩を竦めて言えば何か言いたげな視線を寄越したものの、火をつけることに夢中になっている。煙草とライターを手で覆う。
今日は、春のような天候だった。生暖かい風に優しい日光。室内の方が寒いような日だった。明日はまた、元の寒さにもどるようだけれど。
「夜だってのにちっとも寒くねぇな」
「桜が咲いてそうな感じですよねィ。梅が見所だってのに」
漸く煙を吸い込みながら土方は歩き出す。だから俺も、その少し後を歩き始めた。
温い風が髪を拐う。首筋をぬくったいそれが撫でて、気持ち悪い。春かぁ、と呟くと、ちらりと土方は俺を顧みた。
未だ二月なのに、思うが梅は春告げ草とも言うし、決して早くはないのだろう。春なんて、来なければいい。
「春眠暁を覚えず。・・・てめぇは年中そうだがな」
「土方さんが寝かしてくんねぇからだろィ?」
「バカ言え。俺は安眠させてやってんだよ」
こんな言い争いで本気で睨んでくる土方はとても幼稚だ。第三者が聞いたら変に勘繰るだろう言葉の応酬なのに、気にも止めていない。
ここら辺は住宅街であるからにして、この時間になるととても静かだ。街灯以外地上には照らすものがない。だから空を見ると、ぼんやりと星がありそしてたまに、宇宙船が白い光を放ちながら通る。この辺りでは、他の星の人はあまり見ない。
そんな風に空を見ていたらいきなり、クイッと手首を掴まれた。それによろけると、ぎゅうっと抱き締められる。いくら閑静で真っ暗だとは云えども、ここは公道。
だから逃れようともがけども、土方さんは離してくれる気配がない。
脈絡ないなってよく言われるが土方だってないじゃないかと真面目に思う。
「・・・明日は寒いんだよな」
「へい」
「よし。明日はおでん奢ってやる」
優しい声色が告げたものだから素直に頷けば拘束は解かれた。だから顔を見上げると、声と同じように優しい笑みを浮かべていた。
明日の約束なんて簡単にしちゃっていいの。口の中でもごもご言って、投げ掛けはしなかった。
「春って頭がわきやすよね。アンタも?」
「誰の頭が沸いてるっつうんだ。・・・ほら、早くかえんぞ」
春は胸騒ぎが酷い。南風が焦燥を連れてくる。それに当てられた俺と同じように、土方も当てられたのだろう。
手離したくない、まだ。
ずっと今のままあればいい。
「おんぶ、土方さん」
寝言は寝て言え。
返しながらも妥協案を寄越され、おとなしくその手を握った。
冷たい指先が、なんだかとても愛しい。
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