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梅々

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つまり近藤さんの日

父の日だから、両親にクッキーをあげてみた。母の日スルーしてしまったんです(-_-;)
何がいい?ってきいてるうちに。あらま。

プレゼントは欲しいものをあげろ、とフルバに書いてあったのでそれ以来はそうしています。バレンタインとか、自分が食べたいものを作る日ですよね。

まぁ、父からホワイトデーもらってない上に今日もお礼がまだなのですが。お礼ぐらい、言ってよねって台詞、ルパン三世の東京クライシスであった気がする。マリアがとっつぁんに言うんですよね。あれはカリオストロ並に好きです。
カリオストロの土沖パロが書きたいなぁ。





それでは、三十分ちょい必死で書けばこんぐらい書けるんだと知った小説です。これをオリジナルでもできれば苦労はないのに。
土沖です。
















それはもう、可愛いのだ。

手放しで。





I love you,my father!





珍しく、総悟が散歩に着いてこいと偉そうにだが誘ってきた。その珍しさに免じてその尊大な態度はなんだと突っ込むこともせずに頷けば、満足そうに少年は笑った。
そんな表情で誘えば二つ返事で言うことをきいてやるのに。
そんな風に思いながらついてきて、着いたのは見慣れた川原だった。着くなり総悟はしゃがみこみ、せっせと白い花を摘む。

「・・・何してんの」

「おまえも手伝え。真っ白い綺麗な花を摘むんだからな!」

「なんで?」

斜め上のこの角度から見る子どもの上唇の可愛いこと。突っつきてぇな、なんて眺めていたら突っつくを通り越してチョップを食らった。脛に当たったからとても痛い。
花を持っている様は姉に似て可憐なのに。口からでかかった文句を言えば更に激昂するのは目に見えているから、痛いと喚くだけにする。

「今日は父の日だから、近藤さんに冠作ってあげるんでィ。本当はかっこいいの作ってやりたいし、何か買えりゃいいんだけど・・・」

「・・・気持ち込もってりゃ十分だろ」

近藤さんと姉には健気な総悟が愛しくて、手伝ってやろうとしゃがんで注文の通り枯れていたり、潰れていない花を摘み取る。
せっせと摘んで、途中から総悟は編み始めて、日の暮れる頃花冠は出来上がった。少しでもかっこよく、と二重三重にしてあるから、レイよりも長さがあるかもしれない。

「できたー!」

「よかったな。ほら、帰んぞ」

「ん」

手を差し出すと、左手で大事そうに冠を抱えながら総悟は素直に右手を重ねてきた。機嫌がいいらしい。
そんな、手を繋いだだけで。
近藤さんに対する嫉妬心が消え去る自分は器が小さい。よく知っているが本当にそう思う。近藤さんのことをとても大事に思うし嫌いなところはないのだが、それとこれとは別で嫉妬してしまう。
総悟に好かれるなんて、羨ましすぎるだろう。
道場が見えると総悟は手を離して駆け出してしまった。温もりが名残惜しく残る。

「近藤さん!」

「おっ、総悟おかえり!」

「これ、近藤さんにあげまさァ!」

花の咲き乱れんばかりの笑顔で近藤さんに冠を渡した総悟は、お礼にと近藤さんに抱き上げられてとても幸せそうに笑う。
眩しすぎる、情景だ。
目が眩む。
嫉妬して羨望を向けると同時に、守りたいと思うのも事実で。そんな自分は嫌いじゃない。





見回りの最中、馴染みの店とは違う甘味処で菓子を見ていると運悪く、土方さんに見つかった。
何してんの、とボキャブラリーの貧しい土方さんは声をかけるときもパターン化していて、今日の機嫌は上々なのだと分かる。

「これとこれ・・・あ、これも包んでくだせェ」

「あいよ」

「・・・あぁ、近藤さんにか」

横に並んで俺が何してんのか眺めながら、土方さんは呟いた。途端に、機嫌が少し悪くなる。
今日は父の日。子どもの頃からの癖で今でも近藤さんに何か渡してしまう。いつも迷惑をかけているから、せめてもの気持ちだ。
それなのに土方さんは嫉妬する。俺の父親にでもなりたいのか。

「はいよ、あんちゃん」

「ありがとうございまさァ」

受け取って店を出てからも土方さんはむすぅっとして煙草を吸っているからおかしくなる。
敬愛の念を抱くのは近藤さん、情愛を抱くのは土方さん。それじゃあ駄目なのか。

「・・・そんなにプレゼントが欲しいんで?」

「別に」

「ほしいならあげやすけど、父親とはお付き合い、しやせんぜ?」

「・・・」

暗に仄めかすと、土方さんはそれもそうだなと納得しきったように頷いた。
俺の周りは愛しい親バカばかりだ。

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