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梅々

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艶な夜

通勤ラッシュなバスの中、取り敢えず一話目は完成しました。よかったよかった。
何話で終わるだろう。土方がどれだけじらすかにかかっている。




それではどーぞ。土沖でまだ・・・R15。
















思い知るがいい


この、一層愚かしい程貪欲で醜い情愛を





暗黒白百合  壱





がチャリ、錠を開け堅固な扉を開く。ヒタヒタと廊下を歩き、角部屋の飾りの施された華美な障子を開ける。赤い褥に座っていた総悟は格子窓から外を眺めていたが、徐に此方を見ると腹が減ったと呟いた。
何もかもが綺麗な物で構造された部屋だ。と此処へ来る度懲りもせず何度も思う。
壁は赤く、唐の花の絵が丁寧な筆使いで描かれているし、窓は紅殻格子で円形。調度品も全てが赤く、龍や幻想的な生物が今にも動き出しそうな様子で其処にいる。
いま自分がいるのは何処なのか、解らなくなる。
持ってきたコンビニの袋からおにぎりを二つ、総悟に手渡す。無言でそれを受け取り、ラベルを見て、え。と不満そうな声を上げた。

「・・・ツナマヨですかィ」

「嫌なら食うな」

「食べますよ。・・・でも、」

リン、と透き通った鈴の音が言葉を繋ぐ。この部屋に俺が持ち込んだものは、二つだけ。総悟と、その足元に繋がれているこの足枷。何で出来ているのか知らないが、全く重みがなく、頑丈で、動かす都度シャラン、リン、と足枷らしくない音が鳴る。
視界に開け放されている窓が映りそんな襦袢一枚でこんな時間まで夜風に当たっていたら風邪をひくだろうにと呑気に思う。
シャララン、と枷が鳴く。
口を開いては閉じて、開いては閉じて、を繰り返している総悟はまるで鉢という檻にいる金魚のようだ。

「あの・・・」

「何だよ」

「・・・」

再び口を閉じた総悟はいたたまれなさそうに下唇を噛みうつ向いた。フルフルと躰が震えている。
そんな愛らしい様子が悪戯心を擽る。

「取って、くだせェ・・・」

「何を?」

「・・・アンタが朝俺に入れたヤツ」

「だから何だって」

「ッしらばっくれねぇで取れってば!」

「・・・そんなこと言っていいのかよ?」

そう言うとビクリ。華奢な躰がまた震える。そして今朝張られた頬を震える指先でそっと覆う。パァァン、と痛そうな音がした、少しやりすぎたかと後悔はしているが謝る気は更々ない。
哀れを誘う表情に良心を揺さぶられることなく、今朝からポケットに入れてあるモノに触れる。

「最終通告だ。はっきり言えよ、総悟。言えないならお仕置きな」

「ッ・・・」

唇を噛み何も言わない総悟に焦れて、ポケットの中握り締めたもののスイッチを入れる。
ヴヴヴ、と無機質な音の一拍後に、総悟の口から悲鳴が漏れた。

「ぅッあァ~!!」

「ほら、さっさと飯食えよ」

「ァッ、とっ・・・て、ァア、ァん・・・・・・ひじ、か・・・さ・・・っ」

「何、お前嬲られて感じてんの? とんだ淫乱だな」

「ちがっ、ふ、ッぁ・・・な、か・・・へん・・・」

ひっきりなしに喘ぐ総悟は困惑したような表情を浮かべている。赤味がさしている頬を優しく撫でてやると安心したような顔をして総悟は切れ切れにひじかたさん、と呼んだ。怖がらせるようなことをしているつもりはない。朝頬を叩いたのだって、総悟が抵抗しなければ良かった、それだけなのだ。

「ア、っん・・・・・・ぉ・・・ねが・・・、ァっ・・・とって・・・おねが・・・ぃ・・・」

「ちゃんと俺の言うこときくか?」

「変な、の・・・・・・じゃ、っなきゃ・・・ッは、アァ」

そう簡単に従順になられても詰まらない。その点総悟は嗜虐心を素で見事に煽る。プライドが高くて、何かに縛られることを嫌い自由きままだけれど近藤さん絡みなら少しは折れる。そんな総悟が、大嫌いだと日頃から豪語して幾度も嫌がらせを仕掛けている俺に懇願するのだ、愛しいと思わないわけがない。心が満たされないわけがない。
ピッと電源を切ると瞼を閉じハァ、と総悟は深く息を吐いた。涙が一筋、頬を伝う。脱力しきった総悟を膝の上にそっと座らせる。けれども振動で中のモノが動いたらしい、小さく息をつめ、コン、と俺の胸に後頭部をあてる。

「・・・どういうつもりなんですかィ? 土方さん」

「何がだ?」

おにぎりを口許まで持っていってやるとパクパクと総悟は中々いい食いっぷりでそれを食べる。朝から何も食っていないのだ、腹が減りに減っているのだろう。
完食すると総悟は喉を潤してから言葉を続けた。

「俺をこんなとこに監禁するなんざ、正気の佐太じゃねぇでしょう」

「・・・かもな」

部屋を見回す総悟は初めて此処へ来たときのことを回想しているかのように見えた。
初めて来たのは随分と寒い日だった。此処で売春斡旋をしていると、それに幕府が絡んでいるかもしれないと知って、一人で討ち入ろうと雪の降り出しそうな夜に屯所を出ようとしたら、総悟が「一人で行くとはどういう了見で?」とついてきたのだ。
外観は少し唐風。中に入り、男どもを縛り上げ被害者達を解放して、この部屋に入り驚いた。贅の限りを尽した部屋。あの時から、総悟を此処に囲おうと思っていたと言ったらどのような顔をするのだろう。
無関心故に少々乱れた襦袢から覗く胸元の白さ、肌理の細かさに誘われて指が動く。傷をつけるつもりはない。だから傷だらけのガラス玉に触れるように優しく触れた。
それだけで総悟はビクリと肩を揺らす。

「なぁ、俺一応、お前を誘拐したんだけど?」

「―――茶に、何か・・・・・・?」

察しがいいと微笑すると、バッと総悟は俺から離れ、身構えた。刀を疾うに取り上げられた彼は今、無力な少年でしかない。が、他者に屈服するのは矜恃が赦さないと強い眼差しで此方を睨んでくる。

「何を、いれたんで?」

「その内分かるだろうよ」

「その内って・・・・・・ッ」

次第に総悟の頬が赤く染まってゆき、浅い呼吸をしだす。膝が笑うのか、ヘナヘナと座り込んだ総悟は恨みがましげな瞳を潤ませて、自分の体を強く抱き締めながら弱々しい声で言った。

「っな、に・・・? 土方さん・・・これ・・・?」

「体、疼くか?」

「分かんね・・・・・・でも、変ッ・・・」

ハァハァと荒く息をし、総悟は縋ることもなくただ瞼を閉じ未知の感覚を堪える。艶めかしい表情を、より乱れた裾から覗く肉体を、目に焼き付けるように見つめていると、あつい、と総悟は吐息混じりに呟いた。

「服、脱いだら少しは変わるんじゃねぇか?」

「ダ・・・メっ、ハァっ・・・さわん、なぁ・・・」

善意を装い襦袢を滑らせ、肩を露にする。擦れる感覚に身動いだ総悟は抵抗しようと腕を突っ張るが、あまりにも弱い力で。それが縋るように俺の隊服を掴んでいることを、本人は気付いていない。
桃色に色付いた肌に、真っ赤に熟れた胸の飾り。
コクリと咽が鳴る。

「暑いんだろ? なら、脱げばいい」

「やめっ、ほん・・・と、さわっな、いで・・・・・・」

懇願するような声に手を止め顔を覗き込む。目元に涙を浮かべた総悟はどうにかして、とか細い声で言った。
優しく抱き締めてやるとオズオズと両手を背に回して、総悟はしがみついてくる。

「痛いことは何も、しないから」

「ん・・・」

小さく頷いた総悟を抱き上げて、褥の上に横たえさせた。

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