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梅々

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現実

でゅららら最後まで見ましたー。
あれ見ると、現実と非現実について考え出す。
そのあと、クロサギとHEROの劇場版と、Mステと、荒川二期の最後と、銀魂を。

明日は久々のバイトです。どきどき。
最近パソコンやってないです。





では、久々の更新です!遅くなりました!
エイプリルフール土沖。前半戦です。遅くなりました本当に!














嘘をつこう。

とびきりの嘘を。

あんたを悦ばせて、おれも。





貴方のための祭典





 今日は何日か知っていやすかィ。
 尋ねれば男はチラリとカレンダーに目を遣り三十一日と、素っ気なく答えた。予想通りの答えに口角を上げる。残念ながら三十一日は二分前に終わっている。

「もう十二時過ぎてまさァ。一日ですぜ。何の日でしょう」

「え? ・・・・・・あぁ、エイプリルフール」

 一分程間が空いたのは考えたからか、書類に意識がいっていたからか。どちらでもいい。いま土方が目を通しているのが最後の書類であるのだから、それさえ読み終えれば土方の仕事は終わる。
 それまで利口に待っていてやったのだから。報酬をいただきたい。

「答えはやりやした。騙されねぇでくだせぇ、今日の俺に」

「当然だろ。・・・今年は趣向変えたのな」

 だって毎年同じじゃ詰まらない。それに。好奇心が燻っていて。
 楽しみたい、でも土方にもちょっとは楽しんでもらえなきゃ詰まらない。
 だから、ゲームを、と言えば鸚鵡返しにしつつ、土方は書類を置いた。

「ゲーム?」

「アンタが俺に騙されなけりゃ、なんでもしてやりまさァ」

「騙されたら、俺がおまえの言うこときくのか。・・・やってやるよ」

 これまた予想通りのいらえ。にんまり、口角をあげる。
 背中を向けたままの土方に覆い被さって、耳元に唇を寄せた。策があるからの、提案であるわけで。
 上体をぴっとりつけたまま、名前を呼ぶ。

「土方さん。大好きでさァ」

「・・・あぁそうかよ」

「本当ですぜ?」

「はいはい俺も好きだよ」

 土方に好きなんて言われたことがなくてときめく。近藤に言われたら胸が温かくなる、けれどこの男に言われると。
 欲情がざわついて、体の力が抜ける。これはただの、餌を前にした反応のようで。俺が土方を好きなのか、正直分からない。
 腐れ縁の兄弟擬き、上司と部下、肉体関係と複雑な関係性で構成されているから、絡み合う無数の糸から恋愛感情を探し出す方が難しい。

「好きならしてくだせェよ」

「は、」

「だからぁ、アンタに抱かれたい」

 嘘であっても恥ずかしいものだと少し思った。これを、顔を見て言うことはきっとできなかった。抱いて、なんて。男の俺が言うには薄ら寒い言葉に違いない。例え、こんな、歪んだ関係で普段肌を合わせていたとしても、萎えそうなもの。でも萎えられては困る。ここで抱いてもらわねば、土方が騙されたことにはならない。
 土方が騙されたら。一日中首輪を着けてやりたい。一緒に団子食べに行き、真面目に巡回して。そんな、愉快な格好を土方にさせたいのだ。そのためならこっぱずかしい台詞ぐらい。肉を切って骨を断とう。

「あれですね、原田秘蔵のAV風に言うなら、えっちして」

「ごめん、マジで止めてくんない」

 覗き込めば真面目に引いていて、こういうのはツボじゃないのか、と思った。そうじゃなくて、俺がやるからなのだろうけど。萎えさせちゃいけないっていうのに。
 だから、土方の好きなタイプに近づいてみなければならない。そうしなきゃ騙せない。別にそんなしたいわけじゃないのに、してって言っているわけだから。
 でも、土方が関係持つのは大体が夜の世界の人で。手練手管でたらしこめるような男ではない。土方はサバサバした関係を好んで、堅気ではない女を選んでいた。悪く、簡潔に言えば性欲処理。
 俺もきっとこの人にとっちゃ似たようなものなのだろう。
 それならば、誘うのは不味いような気がしてこないこともない。

「・・・・・・アンタが欲しいんでさ」

 妙な切実さが声に滲み出た。さっさと騙されてくれなきゃ俺が困る、そんな切実さが、本当に抱かれたがっているように。
 ピクリ、土方の肩が揺れて密着しているから喉が鳴ったのも分かった。これは好反応。
 顔を覗き込んだままでいると、鋭い視線が此方を射抜いた。ゾクリ、肌が粟立ったのは気のせいだ。

「・・・俺もおまえ抱きてぇわ」

「じゃあ、早く」

 早く終わらせろ。思うと同時に唇を塞がせて、唇を重ねたまま体勢を変え向き合って抱き合う。
 何だかんだ言って、唇を塞がれると流されてしまう。火種に火をつけるように、性欲に火がつく。でもそれは、土方も一緒だ。唇重ねれば、それが怒っている最中だろうとやろうは手を出してくる。本当に、性欲とマヨの摂取量だけは右に出るものがいない。

「・・・好きでさ」

「ああ、」

 リップサービスに対して土方は口角を上げた。可愛い顔だ、嬉しげで、盛っていて素直な。こういう表情は可愛くて好きだ。
 その表情に、負けて。首に回していた手をそのまま肩に滑らせて、黒い着流しを剥いでいく。小さな傷が、あちこちにある。その半分くらいは、俺がつけたものであればいい。

「なぁ、総悟」

「へい」

「・・・この場合、どうしたら敗けなんだ?」

 俺の着物を剥ぎながら土方が言う。剥いだ手が、そのまま背を撫で、邪な動きで、尾骨の辺りを擽る。
 その気になったら負け、なら。両成敗だ。でもそれじゃあつまらない。俺同様、土方の目にも悪戯な光が散っている。もっと楽しみたい。

「本気になったら、でさァ」

「了解」

 ふっと小さく笑って、土方の唇が鎖骨の上に落とされた。
 過去の経験より、この勝負は五分五分。土方の手練が追い詰めるのは俺だけじゃなくて、土方自身もだ。
 楽しくって気持ちよくって、こんなに楽しいゲームはきっと他にない。

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