梅々
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ベラルーシ?
ヘタリア本の最初のカラーでラトビアにナイフ向けてるのはベラルーシ? ベルラーシ?
まぁ、いいか。
今日の銀魂、クオリティギザタカスって感じでした。マジ高杉。
沖田と銀さんの夫婦みたいに息ぴったりなとこだとか彼女ら姉妹は美人だなぁとか土方愛らしいとか近藤さんは絶滅危惧種にしようとか沖田最高でした。新八の笑った顔もよかった。姉上あれまだ誤解していたのだね。
沖田と風って破壊力すごい。風になびく髪とかね。さわやかなルックスのドS王子。
あのほくろに土方が気付いてなかったりしたら萌えます。しっかりしろ、トッシー。
「(今日の銀魂見て)あれ、ほくろなんか出来てたか?」
「・・・俺の体の隅々まで知ってるとか豪語してたくせにねぇ」
「っ!!!! おまっ、いたの?」
「あんたが放送見始めたあたりからいやしたよ。ってかアンタサイテー。旦那のほうが全然いいでさ。息ぴったしだし」
「ちょっ、冗談だからいまの。ってか嘘でもあのやろーントコ行くって言うな」
みたいな。
それでは文化祭前編!
いちわかんけつの筈が・・・。
まぁ、いいか。
今日の銀魂、クオリティギザタカスって感じでした。マジ高杉。
沖田と銀さんの夫婦みたいに息ぴったりなとこだとか彼女ら姉妹は美人だなぁとか土方愛らしいとか近藤さんは絶滅危惧種にしようとか沖田最高でした。新八の笑った顔もよかった。姉上あれまだ誤解していたのだね。
沖田と風って破壊力すごい。風になびく髪とかね。さわやかなルックスのドS王子。
あのほくろに土方が気付いてなかったりしたら萌えます。しっかりしろ、トッシー。
「(今日の銀魂見て)あれ、ほくろなんか出来てたか?」
「・・・俺の体の隅々まで知ってるとか豪語してたくせにねぇ」
「っ!!!! おまっ、いたの?」
「あんたが放送見始めたあたりからいやしたよ。ってかアンタサイテー。旦那のほうが全然いいでさ。息ぴったしだし」
「ちょっ、冗談だからいまの。ってか嘘でもあのやろーントコ行くって言うな」
みたいな。
それでは文化祭前編!
いちわかんけつの筈が・・・。
ふわりふわりと甘い香り
ちらりちらりと揺らめくスカート
一日限りのカーニバル
"Povez vous faire?"
クラウン喫茶へようこそ!
土方は朝、多少憂鬱な気持ちで家を出た。
今日は、文化祭だ。
祭好きな人間のテンションは半端なく上がるがそういった類が苦手な人間のテンションは反比例して下がる。土方はどちらかというと喧騒を好まない。
憂鬱な理由はそれだけではなく、土方は風紀委員の副委員長だ。天然でしっかりしているようでぐにゃぐにゃなストーカー委員長に副委員長にさせろと狙ってくる沖田。喧騒に乗じて愚かしい悪戯をする馬鹿がいるかもしれないし、と思うと憂鬱にもなる。
昨日は舞台発表、今日はクラスやPTAの展示。クラスの方では定番といえば定番なメイド・執事喫茶をやるらしい。馬鹿げていると思うがクラス部門で一位になれば一人ひとりに五百円分の図書カードが贈られる。たかが五百円分だが、図書カード。ウエイターぐらい快諾する。
沖田、近藤は裏方をやる予定で今日は俺よりも先に二人が学校へ行っている。
久々、というよりか初めてか。たった一人でこの道を通るのは。学校への通い路を通学以外で用いたことは一度もない。コンビニも駅も友人の家も全て、学校とは反対にある。
「あっ、おはよー! 土方君」
「おはよう、荷物置いたら衣装に着替えて。サイズとか問題があったら私に言ってくれるかしら」
「おう」
教室を修飾している最中の近藤さんの想い人が中心になっての喫茶だ、サイズや修理以外で文句を言ったら今日の命も危うい。変なデザインでなければいいと思いつつ、荷物を置き教卓の上にまるで店のように丁寧に畳み置かれている服を見る。土方、と書いてあるメモ紙の下、畳まれた服を手に取るとシックなシャツに、燕尾服一式。黒い蝶ネクタイまでついている。
センスは悪くない、けど。
人の出払った教室で着替えを済ますと同時にガラリ、と後ろの戸が開いた。
「あ、土方さん」
「・・・なんだ、総悟か」
女子かと思ったが違ったようだ。着ていた制服を畳み終え振り返る。
そして絶句。
「どうですかィ? 土方さん」
ピラリ。総悟は自身が身に付けているスカートを摘み、首を傾げる。
頭の上には真っ白なレースのついたカチューシャ。
首元は清楚な白い襟、赤いリボンを蝶々結びにして、腰は編みあげになっている黒いメイド服。裾の短いスカートから白い素肌が覗き、そしてそれを覆うように無粋な、けれどどこか官能的な腿までの網タイツ。エッフェル塔を作った人間が考案したというガーターベルトまでつけて、どこのオヤジを誘惑するつもりなのかと問いたくなる。
それ以前に、裏方ではなかったのか。
「絶句して見惚れる程似合ってやすかィ?」
「なっ、違ぇよ馬鹿! 男がンなもん着ても気持ち悪いだけだろっ・・・!」
「・・・ふーん」
詰まらなそうにそう言い放ちでも、と総悟は呟く。
少し上目に俺を見て。
「アンタのその格好、すげぇ似合ってやすぜ」
カツカツと、厚底ブーツのヒールで音をたてつつ総悟は教室から出ていった。
似合ってる、なんて。アイツに言われるとは思わなかった。こういう時だけ素直というかなんというか、ドキッとするようなことを言うから。
―――――見惚れない、わけがない。あんな姿して可愛らしくポーズとられて。
だから、そんな自分を否定したくて。
「着替えたら手伝いおねがーい」
「あー、わかった」
外から響いた声に思考を現実へと戻す。
いまは、文化祭前の忙しい時。
恋人に軽く欲情している場合ではないのだ。自粛しなければ。
そんなこんなで慌ただしく準備は終わり、一般入場の時間になっていた。俺と総悟はシフトが同じで、朝はクラス、昼は風紀委員兼剣道部で校内見回り、午後は自由時間だ。
めんどくさい。
そう思いつつも、服に慣れておくようにと準備の最中から着せられていた所為でよれた蝶ネクタイを正す。
鏡を占領していると退いてくだせぇ、と横に押し退けられた。
志村(姉)の被害者が、此処にもう一人。
「頭のヤツずれてるから直して来いって。やってくだせぇ」
「・・・それが人に物を頼む態度かよ」
横柄な態度にムッとしつつ、鏡じゃなく俺を見ろと、肩に手を置き此方へ向ける。
バランスを崩した総悟が、俺の胸へ体を預けた。
ギュッ、と布を強く掴み、刹那体を強張らせた総悟はふぅ、と息を吐いた。若干乱れた髪から覗く項が目に毒だ。
この白い肌の、とろけそうな甘さを知っているから。
「・・・ほら、も少し上向けよ。できねぇだろ?」
「へい。ったく、アンタが急に引っ張るから・・・」
大人しく小さな一歩分離れた総悟はカチューシャを直しやすい角度に顔を上げた。
長い睫が白く肌理の細かい頬に影を落として、人形のような美貌に拍車をかけている。さりげなくゆっくりと指を動かし、珍しく大人しくしている彼をマジマジと見る。
今すぐにでも。
手を出してしまいそうだ。
「土方さん?」
いい加減どんくさくやっている俺を訝しんで顔を上げた総悟の唇に、そっと唇を重ねた。軽く啄む程度で離すと名残惜しそうに甘い声を上げる。
このシチュエーションで、こんなセクシュアルな表情をされると。
「堪んねー・・・」
「っなに馬鹿なこと言ってんでィ!! この色情狂!!」
バンッと体を突き離しトイレから駆けて行く後ろ姿。走る度にスカートは揺れ、腰のリボンも蝶のようになびく。
頭はすっからかんなのに色情狂なんて単語を知っているのは彼が耳年魔であるからか。すばらしき無駄知識、どうせなら他のことに生かせればいいのだが。
教室へ戻り最終チェックをする。何個か合わせた机の上にテーブルクロスをかけることになり急遽敷いていると校内放送が一般入場の開始を告げた。
三十分も経たない内に、忽ち大盛況となった。
席は全て埋まり、教室の外に十脚程度椅子を並べたがそれでも足りない。
吉里吉里舞いな忙しさ。
「あの、注文いいですか~?」
「はい、只今!」
「ホットケーキ、四番テーブルまでお願い!」
「了解」
注文を取りに行く道すがらホットケーキをテーブルへと運ぶ。どうぞ、と渡せばきゃぴきゃぴした声でありがとうございますと返される。いいえ、と愛想良く返事を返しその隣のテーブルに御注文は、と問う。
短いスカートに明るい色の髪。えーっとぉ、と甘ったるい声色。先程の女子高生より更に、典型的な感じだ。
この手の系統はうちのクラスにはいない。チャイナ娘に怪力女、ドMな納豆女に・・・と、久々に見る女子高生らしい女子高生。制服はうちのとは違いブレザーで、抑えた色合いのチェックのスカート。
これを、総悟が着たら。などと考えつつ注文を取る。
「ホットココアとぉ、う~ん・・・。ねぇ、あたしいちごパフェにするから交換しない?」
「そうしょっか。じゃあ、私抹茶ミルクとキャラメルホットケーキ!」
「私は・・・チョコレートパフェ」
注文の確認をして引き返そうとすると、あのぉ、と引き留められた。
まずいことしたか? いや、ただ注文とっただけだ。
じゃあ、なんだ?
「なにか・・・?」
「あのぉ、私達のテーブルまで運んでくれませんか?」
「あと、一緒に写真とってください!」
「え・・・」
本日幾度目かのその頼み事。
先三回は渋々断らなかったが今はいい加減に忙しい。だが断り辛いしな、そう思うがやはり、人手が足りないぐらい忙しい。
「悪いけど・・・」
「土方さん! コレ運んでくだせぇよ」
口を開くと同時に声がかかる。声のした方を見れば、総悟がステンレスの丸い盆を二つ持って立っていた。近くの席の男の客らが、ちらちらと総悟の姿をねちっこい視線で見ている。
忙しいので、そう女子高生らに返し足早に総悟の方へ向かう。
此処はメイド喫茶といえど高校の文化祭だ。指名制をとれる程個々のスキルがあるわけもなく、普通の喫茶店同様、手の空いているものが注文を受け、盆を運ぶのだが。
総悟は指名を受けてばかりいる。男だけではなく女からも。名前を知っているわけではないから、自分の傍を通ったときに「あ、すみません」と声をかけるのだ。
「ありがとな、総悟」
「別に。重いから呼んだだけです」
盆を渡しフイッと顔を背けた総悟の後に続く。
予想通り男四人組の席で俺がついてきたことに、手前に座っている男が少し不快そうな顔をした。
俺にとっちゃお前らが不快だっての。
口には出さず心の中で呟くと少しスカッとした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
"Povez vous faire?"
は、フランス語で
御参加どうぞ!
のはずです。
ちらりちらりと揺らめくスカート
一日限りのカーニバル
"Povez vous faire?"
クラウン喫茶へようこそ!
土方は朝、多少憂鬱な気持ちで家を出た。
今日は、文化祭だ。
祭好きな人間のテンションは半端なく上がるがそういった類が苦手な人間のテンションは反比例して下がる。土方はどちらかというと喧騒を好まない。
憂鬱な理由はそれだけではなく、土方は風紀委員の副委員長だ。天然でしっかりしているようでぐにゃぐにゃなストーカー委員長に副委員長にさせろと狙ってくる沖田。喧騒に乗じて愚かしい悪戯をする馬鹿がいるかもしれないし、と思うと憂鬱にもなる。
昨日は舞台発表、今日はクラスやPTAの展示。クラスの方では定番といえば定番なメイド・執事喫茶をやるらしい。馬鹿げていると思うがクラス部門で一位になれば一人ひとりに五百円分の図書カードが贈られる。たかが五百円分だが、図書カード。ウエイターぐらい快諾する。
沖田、近藤は裏方をやる予定で今日は俺よりも先に二人が学校へ行っている。
久々、というよりか初めてか。たった一人でこの道を通るのは。学校への通い路を通学以外で用いたことは一度もない。コンビニも駅も友人の家も全て、学校とは反対にある。
「あっ、おはよー! 土方君」
「おはよう、荷物置いたら衣装に着替えて。サイズとか問題があったら私に言ってくれるかしら」
「おう」
教室を修飾している最中の近藤さんの想い人が中心になっての喫茶だ、サイズや修理以外で文句を言ったら今日の命も危うい。変なデザインでなければいいと思いつつ、荷物を置き教卓の上にまるで店のように丁寧に畳み置かれている服を見る。土方、と書いてあるメモ紙の下、畳まれた服を手に取るとシックなシャツに、燕尾服一式。黒い蝶ネクタイまでついている。
センスは悪くない、けど。
人の出払った教室で着替えを済ますと同時にガラリ、と後ろの戸が開いた。
「あ、土方さん」
「・・・なんだ、総悟か」
女子かと思ったが違ったようだ。着ていた制服を畳み終え振り返る。
そして絶句。
「どうですかィ? 土方さん」
ピラリ。総悟は自身が身に付けているスカートを摘み、首を傾げる。
頭の上には真っ白なレースのついたカチューシャ。
首元は清楚な白い襟、赤いリボンを蝶々結びにして、腰は編みあげになっている黒いメイド服。裾の短いスカートから白い素肌が覗き、そしてそれを覆うように無粋な、けれどどこか官能的な腿までの網タイツ。エッフェル塔を作った人間が考案したというガーターベルトまでつけて、どこのオヤジを誘惑するつもりなのかと問いたくなる。
それ以前に、裏方ではなかったのか。
「絶句して見惚れる程似合ってやすかィ?」
「なっ、違ぇよ馬鹿! 男がンなもん着ても気持ち悪いだけだろっ・・・!」
「・・・ふーん」
詰まらなそうにそう言い放ちでも、と総悟は呟く。
少し上目に俺を見て。
「アンタのその格好、すげぇ似合ってやすぜ」
カツカツと、厚底ブーツのヒールで音をたてつつ総悟は教室から出ていった。
似合ってる、なんて。アイツに言われるとは思わなかった。こういう時だけ素直というかなんというか、ドキッとするようなことを言うから。
―――――見惚れない、わけがない。あんな姿して可愛らしくポーズとられて。
だから、そんな自分を否定したくて。
「着替えたら手伝いおねがーい」
「あー、わかった」
外から響いた声に思考を現実へと戻す。
いまは、文化祭前の忙しい時。
恋人に軽く欲情している場合ではないのだ。自粛しなければ。
そんなこんなで慌ただしく準備は終わり、一般入場の時間になっていた。俺と総悟はシフトが同じで、朝はクラス、昼は風紀委員兼剣道部で校内見回り、午後は自由時間だ。
めんどくさい。
そう思いつつも、服に慣れておくようにと準備の最中から着せられていた所為でよれた蝶ネクタイを正す。
鏡を占領していると退いてくだせぇ、と横に押し退けられた。
志村(姉)の被害者が、此処にもう一人。
「頭のヤツずれてるから直して来いって。やってくだせぇ」
「・・・それが人に物を頼む態度かよ」
横柄な態度にムッとしつつ、鏡じゃなく俺を見ろと、肩に手を置き此方へ向ける。
バランスを崩した総悟が、俺の胸へ体を預けた。
ギュッ、と布を強く掴み、刹那体を強張らせた総悟はふぅ、と息を吐いた。若干乱れた髪から覗く項が目に毒だ。
この白い肌の、とろけそうな甘さを知っているから。
「・・・ほら、も少し上向けよ。できねぇだろ?」
「へい。ったく、アンタが急に引っ張るから・・・」
大人しく小さな一歩分離れた総悟はカチューシャを直しやすい角度に顔を上げた。
長い睫が白く肌理の細かい頬に影を落として、人形のような美貌に拍車をかけている。さりげなくゆっくりと指を動かし、珍しく大人しくしている彼をマジマジと見る。
今すぐにでも。
手を出してしまいそうだ。
「土方さん?」
いい加減どんくさくやっている俺を訝しんで顔を上げた総悟の唇に、そっと唇を重ねた。軽く啄む程度で離すと名残惜しそうに甘い声を上げる。
このシチュエーションで、こんなセクシュアルな表情をされると。
「堪んねー・・・」
「っなに馬鹿なこと言ってんでィ!! この色情狂!!」
バンッと体を突き離しトイレから駆けて行く後ろ姿。走る度にスカートは揺れ、腰のリボンも蝶のようになびく。
頭はすっからかんなのに色情狂なんて単語を知っているのは彼が耳年魔であるからか。すばらしき無駄知識、どうせなら他のことに生かせればいいのだが。
教室へ戻り最終チェックをする。何個か合わせた机の上にテーブルクロスをかけることになり急遽敷いていると校内放送が一般入場の開始を告げた。
三十分も経たない内に、忽ち大盛況となった。
席は全て埋まり、教室の外に十脚程度椅子を並べたがそれでも足りない。
吉里吉里舞いな忙しさ。
「あの、注文いいですか~?」
「はい、只今!」
「ホットケーキ、四番テーブルまでお願い!」
「了解」
注文を取りに行く道すがらホットケーキをテーブルへと運ぶ。どうぞ、と渡せばきゃぴきゃぴした声でありがとうございますと返される。いいえ、と愛想良く返事を返しその隣のテーブルに御注文は、と問う。
短いスカートに明るい色の髪。えーっとぉ、と甘ったるい声色。先程の女子高生より更に、典型的な感じだ。
この手の系統はうちのクラスにはいない。チャイナ娘に怪力女、ドMな納豆女に・・・と、久々に見る女子高生らしい女子高生。制服はうちのとは違いブレザーで、抑えた色合いのチェックのスカート。
これを、総悟が着たら。などと考えつつ注文を取る。
「ホットココアとぉ、う~ん・・・。ねぇ、あたしいちごパフェにするから交換しない?」
「そうしょっか。じゃあ、私抹茶ミルクとキャラメルホットケーキ!」
「私は・・・チョコレートパフェ」
注文の確認をして引き返そうとすると、あのぉ、と引き留められた。
まずいことしたか? いや、ただ注文とっただけだ。
じゃあ、なんだ?
「なにか・・・?」
「あのぉ、私達のテーブルまで運んでくれませんか?」
「あと、一緒に写真とってください!」
「え・・・」
本日幾度目かのその頼み事。
先三回は渋々断らなかったが今はいい加減に忙しい。だが断り辛いしな、そう思うがやはり、人手が足りないぐらい忙しい。
「悪いけど・・・」
「土方さん! コレ運んでくだせぇよ」
口を開くと同時に声がかかる。声のした方を見れば、総悟がステンレスの丸い盆を二つ持って立っていた。近くの席の男の客らが、ちらちらと総悟の姿をねちっこい視線で見ている。
忙しいので、そう女子高生らに返し足早に総悟の方へ向かう。
此処はメイド喫茶といえど高校の文化祭だ。指名制をとれる程個々のスキルがあるわけもなく、普通の喫茶店同様、手の空いているものが注文を受け、盆を運ぶのだが。
総悟は指名を受けてばかりいる。男だけではなく女からも。名前を知っているわけではないから、自分の傍を通ったときに「あ、すみません」と声をかけるのだ。
「ありがとな、総悟」
「別に。重いから呼んだだけです」
盆を渡しフイッと顔を背けた総悟の後に続く。
予想通り男四人組の席で俺がついてきたことに、手前に座っている男が少し不快そうな顔をした。
俺にとっちゃお前らが不快だっての。
口には出さず心の中で呟くと少しスカッとした。
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"Povez vous faire?"
は、フランス語で
御参加どうぞ!
のはずです。
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