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梅々

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ありがとう、そしてありがとう!

今日は空折みてたら鬱になりました。あの二人が幸せすぎてなんで土沖は、ってなった。仕方ないのはわかってるけど。

多分萌えが足らなくて鬱になったのでばしばし更新していきたいです。
鬱ポップを目指します←





前半できました!
85000打、杏樹様リクエストの自慰我慢からの土沖えっちです。大変お待たせしました。本当にありがとうございます*><*
まだ十八禁ではないです!















その手が教えた

その手が育てた

今更手を離されても俺にはそれに縋るしかないのに





熟れた罪





「うあー・・・」

 どうしようもなくて両手で掛け布団を強く握りしめた。一度それを意識した体は静かになんてならない。寧ろ、熱を孕んでいくばかり。我慢することに元から弱い俺には拷問のようだ。それが毎晩毎晩続く。どうにか堪えようと深呼吸するもそんなんで治まるなら誰も苦しみなんかしないのであって。ただ一人の頼みの綱は今回は我慢比べの相手だ、助けてくれなんて縋りつけられるわけがない。そもそも元凶はあの男だ。その元凶に縋るなんて常識的に考えておかしい。
 ああでも、そろそろ我慢がきかない。小賢しく内股をもぞもぞ擦り合わせても事態は悪化するだけで改善はしない。本当に土方さんは問題児だ。俺を精神的にいたぶりたいんじゃないか。まるっきり変態だ、ド変態だ。俺にはそんなことされる趣味もされたいという願望もないのに。
 何が原因だったかは忘れた。乱れた敷き布団の上、二人とも半裸で売り言葉に買い言葉で普段よろしく喧嘩した。珍しく土方さんも折れなくて、埒があかないと思ったのかそれならと提案してきた。自慰もセックスもしないで、我慢できた方の勝ち。要するに射精したら敗けってことだ。おまえに出来るか、ニヤニヤしながら言われてその挑発に乗らないわけがない。直情型なのは土方さんであって俺はそうではないけれど、男のプライドぐらい俺にだってある。
 テクニックが下手だのねちねちしすぎだおじさんだの罵ったのが悪かったのだろうか。今なら本気で、抱かれてやってもいいと思う。かれこれ一週間以上は我慢していてお陰で俺は寝不足だ。少なくとも夜は寝られない。だから昼間に変わりに寝ていると土方さんが怒りに来てあの低い声が、名前を呼ぶ。
 ゾクリ、悪寒ではないもので鳥肌が立った。こんなときに土方さんのことを考えるのは自殺行為だ。情事とあの人は、俺の中で直結してるってのに。
 今日は山崎の死体でも数えようと瞼を強く閉じて、枕をぎゅうっと抱き締める。あの人さえいなければ、俺はこんな欲求不満とか済んだのに。





「おはよう」

「・・・はようございまさァ」

 何食わぬ顔というかすっきりした爽やかな朝ですね的な顔で挨拶してきた土方さんに正直腹が立った。だけど此処で八つ当たりするのはポリシーに反する。俺はそんなに幼稚じゃない。
 眠い目を擦ってからうーんと伸びる。同時に土方さんのでかい手が、俺のタイをしゅっと抜いた。それから俺の首に形を整えながら結ぶ。

「・・・寂しくて眠れてねぇのか?」

「は?」

「寝不足みてぇだからよ」

 にやにやして言われたなら嘲笑を返せたが、土方さんは優しく微笑んでいる。なんだその嬉しそうな顔は。確かに喧嘩するまで毎日同じ布団で寝ていたけれど、寂しさなんか感じる余裕もないぐらいに欲求不満だ。欲求不満なのはただ射精できないからなのであって土方さんは直接的には俺の睡眠不足に関係ない。間接的にはある、というか根本的な原因はこの人にあるが。
 なんだか嬉しそうな土方さんが不憫だ。それは気のせいですぜ土方さん。

「生憎煙草の臭いもしねぇし暑くも狭くもなくて快適ですぜ? アンタこそやけにさっぱりした面してやすが膝枕でもしてもらってんですかィ? 綺麗なねーちゃんとかに」

「・・・言ってろ」

 土方さんの機嫌が一気に悪くなってつい笑ってしまった。浮気疑われたぐらいで拗ねるなんて餓鬼だ、可愛い。本気で疑っているわけじゃないと知っているだろうに。それ以前に女を相手にするのは自然のことで、俺らが繋がっていることがおかしいのであって。ならば浮気に含まれるのだろうか、付き合っているとはいえ特殊だから、浮気の定義も特殊になりのではないか。なんてところまで考えて頭がパンクしそうになった俺の腕を引いて、土方さんは人気のない洗面所で振り返った。

「顔、洗いやしたけど。なんかついてやすか」

「ちげぇよ」

「は・・・ん、」

 両手で頬を包まれあれよと言う間に食われていた。飽きるぐらい知っているだろうに味見するように唇を舐めた舌がそのまま中に入ってくる。唇の裏、次いで歯茎、エナメル質にべろ同士を。形や感触を確かめて辿るように動くから。
 荒々しさはなく事務的であっても余すところ無く全部を求める動きに、欲情した。

「んっ、ぁふ・・・」

 煽られたら燻っていたものが黙ってはいない、それは土方さんだって同じなはず。煽られたら煽り返せ、やられっぱなしは気に入らない。
 広い背中に手を這わす。隊服越しにでも分かる体温に収拾がつかなくなりそうだ。此方から舌を絡めてやれば固い掌が誉めるように腰を撫でて、ちゅうっと吸われた。
 きもちいい。キスなんてよくしていたけど久々だ。久々だから意識して余計に体が疼くのか腰が揺れる。目敏く気付いた土方さんのそれが、体に当たってぴくりと跳ねた。

「・・・勃ってる」

「ぁは、ん・・・アンタも・・・」

 至近距離で俺を見る目が朝に似つかわしくなく濡れている。きっと俺も人のことは言えないんだろうけど。
 このままなし崩しにするのもありだ。でも俺ばっかり我慢をするのも癪だから敢えて、体を離す。謝らせたい縋らせたい。俺が我慢した分、土方さんにも我慢させたい。

「・・・なんだよ」

「時間ねぇから広間行きやしょう」

「・・・空気読めよ」

「俺を先にイかせるつもりでしょう」

「もうお前本当に馬鹿な」

 ハァと呆れた土方さんの前は自己主張したままだけど朝会に間に合わなくなりそうなのも事実。触りてぇな、ぼんやり思ったのを振り払ってなんとか萎えようと神山の顔を思い浮かべる。
 行くぞ、とまた俺の腕を引いて歩き出した土方さんの所為であまり効果はなくって、腹立ち紛れに広間に入るとき後ろから思いっきり斬りつけた。

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