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梅々

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頭蓋骨

赤ちゃんの頭蓋骨は柔らかいから頭を叩いたりぶつけないようにしなければならない。歪んだまま頭蓋骨が固くなってしまったら困るから。
っていきなりどうしたんだろ。

これから試験一週間前なんでまぁいつも通りかもしれないですが更新停滞。年末年始も軽くきついかな。


それでは四月に書いた土沖アンドロイド二話。










やさしくて、あたたかくて。ぎんいろの羽はおれをつつみこんで守ってくれる。
だから、いつかおれも守れるようになりたい。たいせつな、人を。





脳内薔薇色症候群





言葉にするのなら、彼はきっとこの感情を“恐怖”だと意味付けただろう。まだ、彼には分かりえないものだけれど。
目覚めるまでに彼がいたのは、何よりも暗い闇の中。そこには何もなくて、時折響くのは優しげな声のみ。
不思議だった。自分の名前も言葉も、何もわからないのに、自分を呼んでいるのがわかったのだから。




「総悟、飯は?」
「食う」
「食べる、だろ?」
「でもアンタ食うって言ってまさァ」
「・・・」
こいつが目覚めて、二日がたった。とりあえず、日常でよく使う言葉から教えていったのだが、思いの外難しく、それとともに俺は物を教えるのが下手なことが判明した。
どうしよう、と悩んでいると、総悟がじーっとテレビを見つめているのに気付き、半日テレビを見させたらあっという間に言葉を吸収して。二日目も同じようにしていたら―――――てやんでぃ口調になっていた。手抜きはしちゃいけないんだと、反省したのだが今更だ。
「土方さん、時代劇見てェでさァ」
それともう一つ、コイツは時代劇が好きになったらしい。顔には似合わない、古めかしい感性だ。・・・もしかして、アイツの趣味か?でもアイツは渡る世間と朝のニュースしか見てなさそうだったし・・・。
「土方さん」
舌ったらずな声と、袖をクイッと引っ張る手に意識を引き戻された。下から見上げてくる目は微かにうるんで見えて、ゴクリ、と唾を飲み込む。たかが餓鬼の人形に、何考えてんだ俺は。
「テレビ」
「わかっ・・・」
ピンポーン、とチャイムが階下から鳴り響いた。こういう時、二階にリビングがあるというのは不便だ。とにかく、テレビをつけ急いで玄関へ向かった。

「・・・はい」
ドアスコープから誰が来たか確かめる事なくドアを開けると、まず目にはいったのは真っ赤なチャイナドレス。スリットから覗く足は白く細いが、幼い曲線だ。
顔を上げてみると、見覚えのある、桃色の髪をだんごにした、少女。
「多串君?」

「お前、坂田ンとこの・・・?」
「おっ、覚えてたアルカ?ほめて使わすヨ」
脇をすり抜け、自分家に上がるかのように靴を脱ぎ、二階へと向かう。一度も此処へ来たことないのに、よく知っているかのように迷うことなく。
後から階段を昇りリビングに入ると、総悟は俺らが入ってきたのを気付いていないのか、テレビにみいってた。水戸黄門のどこがそんなに面白いのか、わからない。
総悟、と神楽が総悟を呼ぶと、聞き慣れない高い声に眉を寄せ、テレビから目を離した。刹那だけ、目が見開かれる。
「・・・ちゃいな」
「・・・お前、喋れるアルカ?」
「あたぼうでィ。俺をばかにすんなィ。ちゃいなより頭いいんでさ、俺」
嬉しそうに笑んだ後いきなり神楽はかけだし、総悟の元へ向かう。そのまま抱きつくのかと土方が思えば、そうではなくて。
掛け声とともに踵落としが繰り出される。
「っおい・・・!!」
止めようと手を伸ばすが今更だ、止められるはずがなく、神楽が手加減してくれることを祈りつつ見守る。
すっ、と空気を切る白い足は、そのまま床に突き落とされた。・・・総悟が回転するように横に避けたのだ。ほっとするが、その時には次の攻撃が始まっていた。神楽は拳を突き出す。が、それを総悟は受け止め、空いてる右手で殴りかかる。今度は神楽がそれを避け、足払いするように床に沿い、足を動かす。

と、いうか。なんでこいつらは喧嘩してるんだ、と土方は思う。喧嘩の原因になるようなものは一切なかったのに、何故。
床の一点を見つめ、この乱闘の理由を考えていると一際派手な音が響いた。何かあったか、と顔を上げると、同じタイミングで笑い声が耳に届いた。床の上、神楽が総悟を押し倒す形で重なっている。クスクス楽しそうに笑いながら。
「元気そうで何よりヨ。お前、また一段と強くなったな」
「ちゃいなこそ、強くなったんじゃ?おんなのこのくせに」
「・・・久しぶり、総悟」
「久しぶり、かぐら」
抱き合う二人に、疎外感を抱く。どうやら俺の家に総悟が来る前は相当親しくしていたそうで、今のも二人のスキンシップのようなものだったのだろう。
─────それに、総悟の安心しきった表情が何よりもそのことを告げていた。
俺の前であんな顔見せたことは一度も無かった。大抵無表情で、きっと彼は“笑顔”というものを知らないのだろうと思った。その他の表情も、感情も。
「そうだ、私多串君に用があったネ」
立ち上がり、ポケットの中から茶色い封筒を取り出した。多少くたびれているのはこの際しょうがない。
「なんだ、コレ」
「銀ちゃんからの手紙アル。あと、そーごの生活費。ほんの少しだけだけど、喜ぶヨロシ」
中に見えたのは一枚の五千円札と折り畳まれた白い紙が二、三枚。何だ、と紙を取り出すのを確認してから、神楽は元来た俺の横で開きっぱなしになっているドアのところまで歩いてきた。
「じゃあ私帰るアルヨ」
「なんでですかィ?」
きょとんと首を傾げる総悟に神楽は寂しそうに笑いかけ、しょうがないアル。と呟く。
「・・・銀ちゃん守んなきゃいけないネ。だから、お前は多串君に守ってもうアル。・・・また、様子見に来るから」
「・・・あいつ、どうしてんだ?」
「相変わらず逃亡生活。・・・総悟に会いたがってたヨ。でも、それじゃ危ないから、って私が派遣されたアル。─────それじゃ、」
「・・・気を付けろよ」
「・・・ちゃいな、またな」
「おう!次は全部片してから来てやるよ」
ぱたん、と閉じられた戸をじぃっと見つめ、総悟は何かを考えているようだ。
それを眺めていたが、手紙の存在を思いだし、一枚目を開いてみる。
『多串君へ
総悟君はどうなった?それだけがすごく気になって夜は夢にまで出てくんだよコノヤロー。やっぱ、お前みたいな狼にか弱い総悟君を預けなけりゃよかったと後悔してます。
で、今回は神楽に代役としてきてもらったけどちゃんと五千円入ってるか確認しとけー。下手したら酢昆布になってるかもしれないからな。
P.S 夜なら総悟君に外出許可を出します。外の空気に触れさせて豊かな感性を持たせてくれなきゃ困るんで。もしかしたらまだそこらに俺らを追ってる奴がいるかもしれないから用心しろよ。
あと、いかがわしいことすんなよ、無垢な子なんだからな』

・・・。

「何が、言いたいんだ?」
「?どうかしやした?」
「いや・・・」
二枚もの紙にだらだら綴られていたこの文の、本題は何だ?五千円についてか?というか本文とP.S逆じゃないか?
つっこみどころ満載の手紙のことを考えるのをやめ、三枚目に目を落とすと、一番上に平仮名で『そうごくんへ』と書いてあった。これは俺が読むべきじゃないな、とその手紙を渡すと、静かに総悟はそれを読んだ。内容を知りたいが、聞くべきではない。
読み終えたのを見計らって声をかける。
「今晩、散歩行くか」
「さんぽ?」
「外にでて、歩くんだ。いろんなもんが結構ある」
「いきやす!」
好奇心で瞳を輝かす総悟が微笑ましい。
こうして色々な知識を頭に入れていくのだろう。スポンジのようによく吸収して。

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