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梅々

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眠いさァ

ジュディマリのアルバム買ったら沖土&土沖にしか聞こえなかった・・・!
“口には出せない恋をしていたね”とか沖土だなァ。土沖もいける。近藤さんには言えない、みたいな。後ろ目たさがあるといい。
最近沖土うってないなァ。
表の沖土の続編うとうかな?


ここでひとつお願いがあります。
誰か雪のツバサの初回限定版を売ってください!!!(笑)
切実なんですよ、これでも。でもいま金欠・・・。













俺らは、“愛”なんかよりももっと多くの代名詞を持つモノで繋がっている。 

好き、愛してる、傍に居たい―――――なんかじゃなくて、嫌い、死ねばいい、殺したい、目障り消えて欲しい。 

例えるのなら、運命の赤い糸ではなく、ドブ色のダイヤモンドで出来た糸、みたいな。 










ヒトリノ夜 










「死ね土方」 

「ちょっ、黙ってろ」 

せっせと忙しく机に向かっている土方の広い背によっかかり、沖田はいつも通り憎まれ口を叩いた。格好だけ見れば仲睦まじいのだが、音声付きだと矛盾が生じる。 

暇潰しに煙草臭い副長室にまで来たのだが、肝心の土方は缶詰状態で出来れば猫の手でも借りたい―――――そんな言葉がぴったりだ。それでも沖田に何も頼まないのは、前に苦い思い出があるからで。部屋に入れときゃやかましい奴だし自分も寝ずに済むだろう、という訳で追い出しはしない。 

「死ね死ね土方♪あの世に墜ちろ♪」 

足を閉じたり開いたりさせながら、この状況にも飽きたのか自作の歌を歌いだした。土方がきれる事を望んでいたのだろうが、今の土方には子守唄にしか聞こえない。 

今日で、何日目だろうか。 

徹夜は。 

総悟は夜番とか最近そこそこ忙しかったから知らないだろうが、最後に寝たのは何時か覚えていないし、ギネス更新出来るんじゃないか、そんな勢いだ。 

「ねぇ、アンタ見合いすんだろ?寝なくて平気なの」 


カラン 


万年筆が机の上に落ちた。 

なんで知ってんだコイツ。見合いする事も寝てない事も。そりゃあ顔はやつれてるかもしれない。そういえば鏡を見てない。ずっと篭りっぱなしだから・・・やっぱやつれてるのか?それよりも、何で見合いの事がばれたんだ?近藤さんに言わないよう釘をさしておいたし、山崎は知らない。この話を持ってきた松平のとっつぁんも内密につってたし。誰も言ってない筈だ。 

「明日じゃねぇの?アンタそんな顔じゃ先方に失礼ですぜ」 

「見合いなんかねぇよ」 

「嘘でィ。山崎が土方さん達の会話聞いてたんですぜ?」 

「マジでか」 

迂濶だった。流石山崎。聞かれてない、と確信していたのだが、やはり隠密の腕は凄い。山崎の取り柄だもんな。 

っていうかなんで態々総悟に言ったんだ。話がこじれる・・・とか思わなかったのか。
「今寝りゃあいいじゃねぇですかィ。流石にそんな顔じゃ・・・」 

「そんな酷いかよ」 

ムッとし言い返すと総悟は頭をコツンとぶつけてきた。後頭部から波紋のように刺激が伝わる。脳味噌が揺れてる感じがする。 

「俺が心配しちまう程」 

「そりゃあやべぇな」 

今から寝ときゃ大分マシになるだろう。書類の山を軽く片付けてると体が軽くなった。 

「じゃ、二度と起きねぇでくだせェ」 

「テメェがな」 

刹那だけ背後から橙色の灯りが差し込んだ後、スッと障子は閉ざされた。敷布団だけ手早く敷いて、久々に横になる。 


総悟はどう思ったのだろう。俺が見合いをすると聞いて。ミツバの事はもうなんともないのか、とでも思ったのだろうか。多分、総悟の事だからそう思ったな。俺がもう感傷を絶ちきったと。 

「そんな訳ねぇだろ・・・」 

どうしても、と言われたから会うだけで、結婚する気は更々ない。未だに総悟の顔を見る都度、被って見える。だから書類やってたってのもあったのだが。 


天井が段々と歪んできた。底無し沼に沈むように、眠りへ落ちた。 




「近藤さん」 

「おっ、どうした?総悟」 

忠実な隊士がいるのか、何時も綺麗に整えられている庭を眺め縁側に座っている近藤を見かけ、隣に腰掛けた。 

「土方さん寝たんで。晩飯もいらねぇと思いまさァ」 

「そうか。やっと寝たのか。ここんとこずっと起きてたからな。何日目だっけ・・・?」 

「十日間ぶっ通しですぜあの人」 

最後に寝てたのは十日前。毎晩あの人の部屋に行ってるから数え間違える事はない。 


あの人が夜うなされるようになったのは何時からだっただろうか。 

ある夜偶然、土方さんの部屋の前を通ったら低い苦しそうなうめき声が聞こえた。ちょっと気になって部屋を覗いたら布団しっかり被って汗だくで俺と姉上の名を呼んでいた。 


そうだ、あれは初七日の夜だ。 


「総悟、どうした?」 

「いや、ただ・・・」 

いつの間にか考え耽ってて、近藤さんが心配そうに顔を覗きこんでいた。 

「何であの人は見合いするんで?」 

「えっ・・・!?へ??」 

俺が知ってる事に驚いたらしく大袈裟なまでに飛び退いた。土方さんといい近藤さんといい、真撰組のトップ二人がこれでいいのだろうか。 

「壁に耳あり障子に目あり、でさァ」 

ニッコリ笑いながら言うと、困ったように微笑んだ。そんな顔近藤さんには似合わない。 

「トシも・・・渋々する羽目になってな」 

「どうでしょうかねィ」 

「―――――総悟はトシには手厳しいな」 

「近藤さんは俺には手厳しいですねィ」 

自嘲とともに呟き、俺は立ち上がった。 

これじゃまたこないだの繰り返しだ。 

「総、」 

「俺も寝まさァ。晩飯も入りやせん」 


足早に自室へ向かい、閉じたばかりの障子にもたれる。 


なんでこんな無性に腹立たしいんだろう。 

置いていかれる。そんな気がする。土方さんも皆、姉上の死なんてどうでもいいと未來へと歩いていく。それなのに俺はあの日のまま立ち止まって、ずっと何も変わらないでいる。 

人の心は変わりゆく物だって近藤さんは言ってたけど、俺は変わりたくなんてない。忘れたくなんてない。大切な人だったんだ。守りたかったんだ。 


どうすれば色褪せずに胸の中、抱いていけるんだろう。死ぬまで。 


万年床に崩れるように倒れこむと、一気に睡魔が押し寄せてきた。 

寝たくない。 

考えていたいのに。どうすれば俺は、前へ進めるか。滅多に考え事しない俺が、真剣に悩んでるのに。 



はらりと、何時か山崎が生けてけれた赤い花が散った。











題名はポルノから。 

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