梅々
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義兄
- 2014/08/29 (Fri) |
- 土沖 小ネタ |
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拍手ありがとうございますー!
最近スマホが重くて苛々しています。
アプリ30も落としてないのに残容量10%とかどういうことなのでしょう。
スパークの遊郭ネタを書いてます。冷やし土沖になります。
そして、今日から三日間教習とバイトのダブルパンチで辛いです。ちょうどよく冷えて、創作意欲がわいたのに。
それでは義兄弟ネタ続き。
夕飯はなんにしようかなとぼんやり考えながら机へ向かっていたら、がちゃり、背後でドアノブの回る音が聞こえた。
泥棒かと思い一瞬肝が冷える。恐る恐る振り返ってドアの隙間から見えた顔に、今度は違う緊張をした。
土方さんだ。
なんでいるの、と此処は土方さんの家であるのにそんな失礼なことを思って、そういえば今日は出かけた様子がなかったことを思い出す。家にいるのはわかるけど、なんでここに。
胸のあたりがざわざわして落ち着かない。もしかしたら、前みたいに戻れるんじゃないかという淡い期待と同じくらいの不安が腹の底でぐちゃぐちゃになって気持ち悪くなる。
感情を読みとれない目で俺をまっすぐと見て、土方さんは後ろ手でドアを閉じた。
「総悟」
低く呼ばれた名前。ぞわっと背筋が粟立つ。変な汗がでる。
土方さんが名前を呼んでくれた。あの綺麗な声が俺を呼んだ。たったそれだけなのにこんなにも嬉しくて、俺はどうかしちまったんじゃないだろうか。
あんなにも冷たい目で、吐き捨てるような言い方で呼ばれたというのに。
「へい」
「おまえ、バイトしてるんだって?」
どうしてそれを。
ばれないように、していたのに。
土方さんに迷惑をかけたくなくて、平日土方さんの帰りが遅いのを利用して短時間だけどアルバイトを始めた。短時間だけど毎日のように入っているから、贅沢しなければそのお金でやりくりできて、結果土方さんのお金を使わずにすむようになった。
少しでも重荷にならないように。
迷惑に思われないように。
「なぁ、どうなんだよ」
そう思って始めたのにこう詰問されているということは、喜ばれる行為ではなかったらしい。
答えるのが怖い。
「してまさァ」
「なんで」
声のトーンが一様に低い。
「アンタの迷惑になりたくなくて」
「俺がおまえ一人養えねぇと? 馬鹿にしてんの」
腕を組みドアに寄りかかったまま俺を冷たい視線で射抜く。
こんなに長く会話をしたのは久々で、こんな針の筵にいるような状態なのにほんの少し、舞い上がっている自分がいることに気づく。そんな自分自身に嫌気がさす。
「重荷になりたくないんでさ」
押しつけがましい言葉だ。捨てられたくない傍にいたい。言えないで、遠回しに縋っている。
「重荷、な」
噛みしめるように言って思案顔をする土方さんをお白州に引き出された気持ちでただ見つめる。
ふと、相変わらず目つきはつめたいまま、土方さんの口元が緩んだ。
「なぁ総悟」
声色がほんの少し優しくなった。
投げ遣りのような、声色が続ける。
「おまえを重荷だとは思ってねぇ。家族だと思ってるよ」
言いながら、徐に近づいてくる。
ふわりと、土方さんの纏う煙草の匂いが届いた。
家族だと思ってくれてる。重荷じゃないと言ってくれた。それが嬉しくて、鼻の奥がつんとしたけれどこらえて、聞き返す。
「本当に?」
「そうだ。だからなにも心配しないでいい。ただ、」
そこで言葉を切って、土方さんは俺をじっと見下ろす。
「ただ?」
「家族は助け合うもんだろ? お前に頼みたいことがある」
そっと手が伸びてきて、俺の頭を撫でる。
いつぶりだろうか、触れられたのは。気持ちよさに目を閉じて、頼みごとをされる心地よさを声に乗せて、聞き返す。
「なんですかィ?」
頭に触れていた手が離れた。
そして。
「俺の相手をしてくれよ」
そう言うや否や俺の腕を掴んでベッドへと、俺を突き飛ばした。
最近スマホが重くて苛々しています。
アプリ30も落としてないのに残容量10%とかどういうことなのでしょう。
スパークの遊郭ネタを書いてます。冷やし土沖になります。
そして、今日から三日間教習とバイトのダブルパンチで辛いです。ちょうどよく冷えて、創作意欲がわいたのに。
それでは義兄弟ネタ続き。
夕飯はなんにしようかなとぼんやり考えながら机へ向かっていたら、がちゃり、背後でドアノブの回る音が聞こえた。
泥棒かと思い一瞬肝が冷える。恐る恐る振り返ってドアの隙間から見えた顔に、今度は違う緊張をした。
土方さんだ。
なんでいるの、と此処は土方さんの家であるのにそんな失礼なことを思って、そういえば今日は出かけた様子がなかったことを思い出す。家にいるのはわかるけど、なんでここに。
胸のあたりがざわざわして落ち着かない。もしかしたら、前みたいに戻れるんじゃないかという淡い期待と同じくらいの不安が腹の底でぐちゃぐちゃになって気持ち悪くなる。
感情を読みとれない目で俺をまっすぐと見て、土方さんは後ろ手でドアを閉じた。
「総悟」
低く呼ばれた名前。ぞわっと背筋が粟立つ。変な汗がでる。
土方さんが名前を呼んでくれた。あの綺麗な声が俺を呼んだ。たったそれだけなのにこんなにも嬉しくて、俺はどうかしちまったんじゃないだろうか。
あんなにも冷たい目で、吐き捨てるような言い方で呼ばれたというのに。
「へい」
「おまえ、バイトしてるんだって?」
どうしてそれを。
ばれないように、していたのに。
土方さんに迷惑をかけたくなくて、平日土方さんの帰りが遅いのを利用して短時間だけどアルバイトを始めた。短時間だけど毎日のように入っているから、贅沢しなければそのお金でやりくりできて、結果土方さんのお金を使わずにすむようになった。
少しでも重荷にならないように。
迷惑に思われないように。
「なぁ、どうなんだよ」
そう思って始めたのにこう詰問されているということは、喜ばれる行為ではなかったらしい。
答えるのが怖い。
「してまさァ」
「なんで」
声のトーンが一様に低い。
「アンタの迷惑になりたくなくて」
「俺がおまえ一人養えねぇと? 馬鹿にしてんの」
腕を組みドアに寄りかかったまま俺を冷たい視線で射抜く。
こんなに長く会話をしたのは久々で、こんな針の筵にいるような状態なのにほんの少し、舞い上がっている自分がいることに気づく。そんな自分自身に嫌気がさす。
「重荷になりたくないんでさ」
押しつけがましい言葉だ。捨てられたくない傍にいたい。言えないで、遠回しに縋っている。
「重荷、な」
噛みしめるように言って思案顔をする土方さんをお白州に引き出された気持ちでただ見つめる。
ふと、相変わらず目つきはつめたいまま、土方さんの口元が緩んだ。
「なぁ総悟」
声色がほんの少し優しくなった。
投げ遣りのような、声色が続ける。
「おまえを重荷だとは思ってねぇ。家族だと思ってるよ」
言いながら、徐に近づいてくる。
ふわりと、土方さんの纏う煙草の匂いが届いた。
家族だと思ってくれてる。重荷じゃないと言ってくれた。それが嬉しくて、鼻の奥がつんとしたけれどこらえて、聞き返す。
「本当に?」
「そうだ。だからなにも心配しないでいい。ただ、」
そこで言葉を切って、土方さんは俺をじっと見下ろす。
「ただ?」
「家族は助け合うもんだろ? お前に頼みたいことがある」
そっと手が伸びてきて、俺の頭を撫でる。
いつぶりだろうか、触れられたのは。気持ちよさに目を閉じて、頼みごとをされる心地よさを声に乗せて、聞き返す。
「なんですかィ?」
頭に触れていた手が離れた。
そして。
「俺の相手をしてくれよ」
そう言うや否や俺の腕を掴んでベッドへと、俺を突き飛ばした。
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