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梅々

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沖田にさわってと言わせたい。

拍手ありがとうございますー!

昨日スパークのお知らせをアップしました。

論文書かなきゃ……。


「あ~ひじかたさんだ~」
部屋に入るなりそんなふうに、舌の回ってない幼稚な声に名を呼ばれ顔が歪んだ。
これがもし原田だったらすぐさま引き返すところが生憎、俺を出迎えたのが出来上がってる長いつきあいの部下だったのでそれですんだ。
「……総悟」
「おかえりなさい」
へへーと酒を抱えたままあどけなく笑う。そしてたしたしと隣の空いてるスペースを叩き座れと促す。
他にあいている、ましなところもないので大人しく招かれるまま座る。
「おつかれさまでさぁ」
「…………おう」
俺の肩に寄りかかりながらも酌をする。こんなにも酔っているのは初めて見る。どれだけ飲んだんだよ。未成年のくせに。
なんて思いながらも注がれるまま飲んで、寄りかかってくる温もりも心地よくなってきた頃、総悟がまた甘ったるい声で俺の名を呼んだ。
「なんだよ」
「あんた、つめたすぎ」
「どこが」
冷め切った唐揚げを頬張りながら答えたら怒られた。仕方なしに咀嚼しながらも総悟を見れば、思いの外傍に総悟の顔があって驚いた。その拍子にごくりと、唐揚げを飲み込んでむせそうになる。
「おれいま、すっごくあんたにさわられたいきぶん」
酒精で赤い顔が、潤んだ目が、おかしな空気を醸し出す。
そっと総悟の暖かな手が俺の手を包んで、総悟の胸元に当てられる。
手のひらに、総悟の胸の鼓動が伝わる。酒の所為かわずかに早い。
「さわって」
酒の匂いにくらくらする。
くらくらしたままに顔を近づけ、そっと指先を動かせば、はぁと、総悟はとろけた顔をした。
どきり、こちらの胸まで騒がしくなる。そうして、触れたいと、疼いた。
「総悟」
「ん……」
段々と総悟の瞼が落ちて、そして。
すうと総悟の体が傾いた。
「え、おい」
話しかけるも胡座をかいた俺の足の上、すうすうと総悟は寝息をたてる。
「まじかよ……」
火をつけるだけつけておいて、おまえは。

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