梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
木を隠すなら森
- 2014/05/01 (Thu) |
- 土沖 小ネタ |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
拍手ありがとうございます!
もう5月なんて嘘だ。
あと四日で土方の誕生日!
カンカンカンカン。
規則正しい、甲高くはないが音量が大きい所為でやけにうるさい音とともに、遮断機が下りていく。
それを何ともなしに見ながら今日の夕飯はなににしようかと考える。姉上が夜勤で一人きりなのだ。だからとインスタントや弁当ですませば姉上に怒られるので、確か冷蔵庫にあったうどんでも食べるかなと、決めたときだった。
「…………総悟、好きだ」
カンカンカンカン。未だに鳴り続ける遮断機の音に加え近づいてくる電車の音。それらに負ける声で土方さんが言った。
俺のことを、好きって。
好き、だなんて。
知っていた。昔から。ずっとそばにいて、気づかないほど馬鹿じゃない。
それに、俺だって同じなんだから。気づいていた。
でも、だからこそ。
「なんか言いやした?」
「ん? ……いや、なにも」
聞こえないふりをすれば土方さんは信じたらしい。
おれは、今のままでありたい。この距離を壊したくない。怖い。それは土方さんも同じなみたいで。
こうやって逃げ道を作って聞こえないように言う土方さんも聞こえなかったふりをする俺も、二人ともずるい共犯者だ。
もう5月なんて嘘だ。
あと四日で土方の誕生日!
カンカンカンカン。
規則正しい、甲高くはないが音量が大きい所為でやけにうるさい音とともに、遮断機が下りていく。
それを何ともなしに見ながら今日の夕飯はなににしようかと考える。姉上が夜勤で一人きりなのだ。だからとインスタントや弁当ですませば姉上に怒られるので、確か冷蔵庫にあったうどんでも食べるかなと、決めたときだった。
「…………総悟、好きだ」
カンカンカンカン。未だに鳴り続ける遮断機の音に加え近づいてくる電車の音。それらに負ける声で土方さんが言った。
俺のことを、好きって。
好き、だなんて。
知っていた。昔から。ずっとそばにいて、気づかないほど馬鹿じゃない。
それに、俺だって同じなんだから。気づいていた。
でも、だからこそ。
「なんか言いやした?」
「ん? ……いや、なにも」
聞こえないふりをすれば土方さんは信じたらしい。
おれは、今のままでありたい。この距離を壊したくない。怖い。それは土方さんも同じなみたいで。
こうやって逃げ道を作って聞こえないように言う土方さんも聞こえなかったふりをする俺も、二人ともずるい共犯者だ。
PR
COMMENT