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梅々

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何回目かの最終回

ぽつり、と大きな雨粒が彼の項に落ちた。びくり、と俯いていた彼が肩を震わせる。
雨宿りする場所を間違えたか、と見上げ、どう考えても普通はここに来ないだろうなと溜息をついた。
満開の桜の木、その太い幹に背を預け、沖田は濡れた項を手で拭った。葉が生い茂っている季節ならまだしも花びらでは雨粒を受け止めきれない。足元も次第に濡れた土の色に変わっていく。濡れ鼠になるのも時間の問題だ。
雑用係と化している男に連絡はしてあるがいつ来ることやら。確か近場にいたはず、と思っての人選だったが、文句を言いつつ自分には甘い上司にむかえを頼むべきだったかもしれない。
何はともあれ迎えに来いと連絡した以上動くのは流石に申し訳ないだろうし、雨の中を走って帰る気分でもない。雨の桜でも眺めて待っていようと、再び視線をうえにむけようとしたら、にゃあと声がした。
おや、沖田は視線を下げる。
「にゃあ」
とてとてと、寄ってきたのは黒猫であった。雨に濡れ艶やかな黒い毛にじぃとこちらを見つめる眼差し。あの男のようだと沖田はしゃがみ込み、猫に手を伸ばす。然れども猫はするりと身を引き再び鳴いた。そうしてまた寄ってくるので撫でようとすれば、やはり逃げる。
気紛れに近付いてきて手を伸ばせば逃げる。自分勝手な猫めとしゃがんだまま見つめていれば、何かに反応し一点を見つめ、さっとその反対方向へ逃げていってしまった。
何か来るのだろうかと、猫が去ったのとは逆方向を見ていれば。
見慣れたまっくろくろすけが現れた。
「総悟」
「あれ、土方さん」
なぜここにいるのだろうと見つめていれば、土方ははぁと重い息をついた。
「ひんそな雨宿りだな」
「乙でしょう」
「意味わかんねぇよ。……おまえ昔も桜の木の下で雨宿りしてたろ」
沖田を傘のうちに招きながら土方は呆れたように言った。しかし見に覚えのないことであきれられても詰まらないし不快である。思い出そうにも思い出せず、細かいことばかり覚えていやがると悪態を吐こうとしたら土方は口を開いた。
「ミツバが寝込んだときだったか、泊まりに来るはずのおまえがなかなか来なくて、探しにでたら桜の木で雨宿りしてやがってよ」
「そういや」
そういえばそんなこともあったと、思い起こしながら土方の隣を並んで歩く。
「桜の花びらを掴むと幸せになるってきいてがんばってたら降り出したんでさ」
「ああ。そういうところは年相応だったからな」
幼気でしたから、言えば今もあまり変わらないだろうと土方は頬をゆるめた。






アニ銀お疲れさまでした!!!!
定春かわいかったし犬にまでもげすい顔してみせる銀さんイケメンだしマスコットな近藤さんは可愛いしね、沖田も土方も安定で。かわいかった。また寂しい日々が始まりますね。

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