梅々
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鬼は外福は内
未だ濡れ場に突入してないとはどういうことだろ・・・。いや、まぁ健全じゃないんだけど、もう。
続きじゃなくて最中から書こうかな、と考え中です。前後編じゃ終わらなくなりそうな予感。
近頃梅が咲き始めましたね。熱海じゃカンザクラが咲き始めたようで。不思議なもので、自然というのは昔からあるんですよね。
富士山然り、梅・桜然り。
だから、富士山を見て綺麗だなぁ大きいなぁと思うということは即ち昔の人と思いを共有しているというわけで、流れる雲に思いをはせたりとか、いつの時代も変わらないんじゃないでしょうか。
つまり、沖田さんだって同じこと思ったかもしれないじゃない!
ということが言いたかったのです。
土方さんなら梅だな。
でもこう考えると、江戸時代や明治時代は本の中の云わば平面の世界としてしか知らないから、立体の世界で考えると違和感がありますね。うん。
ではスランプ気味な米英節分ネタ!
節分って掃除大変だよね。
続きじゃなくて最中から書こうかな、と考え中です。前後編じゃ終わらなくなりそうな予感。
近頃梅が咲き始めましたね。熱海じゃカンザクラが咲き始めたようで。不思議なもので、自然というのは昔からあるんですよね。
富士山然り、梅・桜然り。
だから、富士山を見て綺麗だなぁ大きいなぁと思うということは即ち昔の人と思いを共有しているというわけで、流れる雲に思いをはせたりとか、いつの時代も変わらないんじゃないでしょうか。
つまり、沖田さんだって同じこと思ったかもしれないじゃない!
ということが言いたかったのです。
土方さんなら梅だな。
でもこう考えると、江戸時代や明治時代は本の中の云わば平面の世界としてしか知らないから、立体の世界で考えると違和感がありますね。うん。
ではスランプ気味な米英節分ネタ!
節分って掃除大変だよね。
照れた顔も
すねた顔も
どれだって
なんだって
俺のもの
Welcome happy!
朝、あまりにも心地好い天気にスカッとした気持ちで目が覚めて、う~んと伸びたらボキボキと背が鳴った。
地味な痛さに少しムッとする。爽快な朝を台無しにする痛みだ、毎朝毎朝伸びるとだるくなったりどこか痛むのに懲りもせずする、俺も俺だが。
洗濯日和だ。序でに掃除でもするかとシャツを換え、セーターを着てズボンに足を通す。
廊下へ出ると、寝室よりも日が差さない分少し寒く、鳥肌がたった。さっさと暖房をつけよう。それと暖かい飲み物を。とはいえど、紅茶しかないのが俺の家。
昨日、寝るときちゃんと閉めたはずのリビングのドアが微かに開いている。よくあることだ、どうせアイツらだろう。
と、ドアを開く。
「っわぁ!!」
「・・・んん・・・」
予想に反して、ソファの上に横たわる、モノ。
ものじゃない、人間だ。
呑気に他人の家のソファで眠りこけているコイツはどういう教育受けたんだ。
・・・・・・育てたのは俺か。
「オイ、アメリカ」
「ん~。も少し寝かせてくれよ・・・」
「ふざけんな、起きろ!」
顔までずり上げた毛布をガッと引っ張る。この毛布、寝室のタンスの中にあったはずなのに。コイツが入ってきたの、全くもって分からなかったのか。
そう思うと、なんだか。
「仕方ないなぁ。紅茶いれてくれるかい? 寒いんだ」
「お前なぁ・・・風邪引くぞ」
暖房器具はついていて、毛布一枚で寝れるというのも分かるけれど。それじゃ風邪引くと、経験上分からないものか。
コイツは、分からないな。
大して思ってもいない文句を声に乗せてぶつくさと、キッチンへ向かうと背後からペタペタ足音がする。それを無視して、水を火にかける。カップとソーサー、茶葉に砂糖を準備して置いておく。
暫くかかるだろう、と振り返ると目の前に、人。
ほんの少しびびった。けどそれを表情に出しちゃいけない。なんてのは端から見れば強がりにしかならないのか。
「・・・なんだよ」
「知ってるかい? イギリス」
「なにを・・・?」
シンクの縁に手をつき、俺の動きを封じてアメリカは口許を緩める。
段々と顔が近付いてきて、耳に吐息がかかる。
こそばゆくて、アメリカの体を押しつつ後ろには行けないから横へと逃げるとガッと腰を捕まれて、もう片方の手が背を撫でた。
ひたすら優しく。
「今日は節分なんだぞ」
「節分・・・?」
名前だけは耳にしたことがあるものに首を傾げると、ニッコリと純真な笑みを浮かべられる。
まるで、あの頃のような。
そう思うと、ズキンと胸が痛む。この関係に慣れた今でも。
アメリカが、変わらないのが悪い、何より。大人になった(とはいえど、年齢相応じゃなく精々少し成長したぐらい)だけで根本的には全く変わらない。
俺に対する態度だけは変わったけど。
「家中に、鬼は外ー・・・何とかはうちーって言いながら豆を巻くんだ」
「あぁ、日本の・・・。なんとかって“福”だろ、確か」
離れろ、と腕を突っ張りながら言うと、仕方ないと親が妥協するように溜め息を吐かれる。
案外呆気なく離れたと思ったら、スタスタとリビングへ行ってしまった。
なんなんだ、一体。
カタカタとやかんが沸騰したことを告げ、慌てて火を止め紅茶をいれる。
一口味見してよしっと一息つく。
こうしてると、一緒に暮らしているような錯覚に見舞われるから嫌だ。ついつい、思考が翳る。
「イギリスー」
「っふぁ!?」
突然目の前が暗くなったと思ったら視界が急激に狭くなって。
なんだ、と顔に手を当てるとのっぺりしており、何か面を被せられたのだと分かる。
何の嫌がらせだ。取ろうとするが、それを制止するように手首を掴まれ叶わない。
「いいかい、君が鬼だ」
「はっ・・・? って・・・・・・うわっ!!」
振り向いたらえいっと何かを投げられた。小さくて威力的にはそんなないが、これまた地味に痛い。
話の流れからして、豆だな。
何故自分家で豆を投げつけられ逃げなきゃいけないのか理解できないが、投げられると本能的に逃げてしまう。痛いのが嫌なのは生きとし生けるもの全てに共通するだろう。
笑いながら豆を撒いてくるアメリカにそこはかとなく腹立ちつつ、トイレに駆け込む。
鍵を閉めて面を外しながら、我ながら妙案だと悦に入る。逃げれば逃げる程家の中は散らかる。ならば、逃げずとも投げられずに済む所へ行けばいいのだ。アメリカはつまらないだろうけど。
そう、何でもかんでも思い通りにいくと思うなよ。
「おいイギリス~。出てきてくれなきゃ詰まらないじゃないか~」
「投げられる身にもなれ! メリットが全然ないだろ!」
「メリット? なんでだい? 君が幸せになるようにこうしてるのに」
「は、」
嘘くさい。と切り捨てようにも声色が真面目で切り捨てられない。こうやって、幾度も嘘を吐かれたことがあるというのに。
それに。
俺を幸せにしたいなら、お前の手でしてみろよ。
本音としてそう思う。だけど、口に出せるはずもなく。
そんなこと考えただけで自分という人間が恥ずかしい。
自己嫌悪していると、コンコン、とノックされた。答えずに黙ったままいると再度名を呼ばれる。
「そんなに痛かったのかい? 貧弱すぎるぞ、イギリス」
「うるせぇっ! 別に痛くなんかないからな!」
「なら、出てきてくれよ。もう投げたりしないから」
「・・・・・・それでお前が鬼やってくれたらいいんだけどな」
アメリカの言葉に、渋々トイレから出る。思えば、子どもの遊びに本気で抵抗して籠城するとは大人げなかった。
どんな表情をしているか、チラリと見上げるといつもと変わらぬふざけた顔で。
瓢々としているのが何だか気に入らない。此方はこんなにも、振り回されているのに。
「君は本当、幼いな」
「っな・・・!!」
なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだ。
なんて文句は熱い抱擁に雲散霧消して、結果何も言えなくなる。
そして生まれるのは何故こうして抱き締められているのかという疑問。
まぁ、暖かくて有難いけど。
「幸せになっただろう?」
「・・・そんな直ぐになれるわけないだろ、ばか・・・・・・」
「もー。こういうときは嘘でも幸せだって言うべきだろ」
「・・・・・・・・・わせだよ」
これは戯れ言。ならば付き合わなければコイツみたく空気読めないとかいうことになる。それは嫌だ。
けど、素直に言ってやるのも何だかしゃくで自然と声が小さくなる。
確かに、こうして肌を通して伝わる、静かに脈打つ心音に安心したりするけれど。それは動物的なものであり、アメリカ個人に対してではないはず。
「ほら、もっと大きな声で」
「あーもう。幸せだよっ! これで満足かっ」
「ああ」
可也投げ遣りに言ったにも関わらずアメリカは本当に満足したような表情を浮かべ鼻唄交じりにリビングへ戻っていった。
俺もそうだけど、ほんっとにコイツも素直じゃない。
「紅茶冷めてるぞ、イギリス」
「ったく、片付けろよ。お前・・・」
豆の入った器を拾いながら、一応礼を言っといてやろうかとリビングへ向かった。
すねた顔も
どれだって
なんだって
俺のもの
Welcome happy!
朝、あまりにも心地好い天気にスカッとした気持ちで目が覚めて、う~んと伸びたらボキボキと背が鳴った。
地味な痛さに少しムッとする。爽快な朝を台無しにする痛みだ、毎朝毎朝伸びるとだるくなったりどこか痛むのに懲りもせずする、俺も俺だが。
洗濯日和だ。序でに掃除でもするかとシャツを換え、セーターを着てズボンに足を通す。
廊下へ出ると、寝室よりも日が差さない分少し寒く、鳥肌がたった。さっさと暖房をつけよう。それと暖かい飲み物を。とはいえど、紅茶しかないのが俺の家。
昨日、寝るときちゃんと閉めたはずのリビングのドアが微かに開いている。よくあることだ、どうせアイツらだろう。
と、ドアを開く。
「っわぁ!!」
「・・・んん・・・」
予想に反して、ソファの上に横たわる、モノ。
ものじゃない、人間だ。
呑気に他人の家のソファで眠りこけているコイツはどういう教育受けたんだ。
・・・・・・育てたのは俺か。
「オイ、アメリカ」
「ん~。も少し寝かせてくれよ・・・」
「ふざけんな、起きろ!」
顔までずり上げた毛布をガッと引っ張る。この毛布、寝室のタンスの中にあったはずなのに。コイツが入ってきたの、全くもって分からなかったのか。
そう思うと、なんだか。
「仕方ないなぁ。紅茶いれてくれるかい? 寒いんだ」
「お前なぁ・・・風邪引くぞ」
暖房器具はついていて、毛布一枚で寝れるというのも分かるけれど。それじゃ風邪引くと、経験上分からないものか。
コイツは、分からないな。
大して思ってもいない文句を声に乗せてぶつくさと、キッチンへ向かうと背後からペタペタ足音がする。それを無視して、水を火にかける。カップとソーサー、茶葉に砂糖を準備して置いておく。
暫くかかるだろう、と振り返ると目の前に、人。
ほんの少しびびった。けどそれを表情に出しちゃいけない。なんてのは端から見れば強がりにしかならないのか。
「・・・なんだよ」
「知ってるかい? イギリス」
「なにを・・・?」
シンクの縁に手をつき、俺の動きを封じてアメリカは口許を緩める。
段々と顔が近付いてきて、耳に吐息がかかる。
こそばゆくて、アメリカの体を押しつつ後ろには行けないから横へと逃げるとガッと腰を捕まれて、もう片方の手が背を撫でた。
ひたすら優しく。
「今日は節分なんだぞ」
「節分・・・?」
名前だけは耳にしたことがあるものに首を傾げると、ニッコリと純真な笑みを浮かべられる。
まるで、あの頃のような。
そう思うと、ズキンと胸が痛む。この関係に慣れた今でも。
アメリカが、変わらないのが悪い、何より。大人になった(とはいえど、年齢相応じゃなく精々少し成長したぐらい)だけで根本的には全く変わらない。
俺に対する態度だけは変わったけど。
「家中に、鬼は外ー・・・何とかはうちーって言いながら豆を巻くんだ」
「あぁ、日本の・・・。なんとかって“福”だろ、確か」
離れろ、と腕を突っ張りながら言うと、仕方ないと親が妥協するように溜め息を吐かれる。
案外呆気なく離れたと思ったら、スタスタとリビングへ行ってしまった。
なんなんだ、一体。
カタカタとやかんが沸騰したことを告げ、慌てて火を止め紅茶をいれる。
一口味見してよしっと一息つく。
こうしてると、一緒に暮らしているような錯覚に見舞われるから嫌だ。ついつい、思考が翳る。
「イギリスー」
「っふぁ!?」
突然目の前が暗くなったと思ったら視界が急激に狭くなって。
なんだ、と顔に手を当てるとのっぺりしており、何か面を被せられたのだと分かる。
何の嫌がらせだ。取ろうとするが、それを制止するように手首を掴まれ叶わない。
「いいかい、君が鬼だ」
「はっ・・・? って・・・・・・うわっ!!」
振り向いたらえいっと何かを投げられた。小さくて威力的にはそんなないが、これまた地味に痛い。
話の流れからして、豆だな。
何故自分家で豆を投げつけられ逃げなきゃいけないのか理解できないが、投げられると本能的に逃げてしまう。痛いのが嫌なのは生きとし生けるもの全てに共通するだろう。
笑いながら豆を撒いてくるアメリカにそこはかとなく腹立ちつつ、トイレに駆け込む。
鍵を閉めて面を外しながら、我ながら妙案だと悦に入る。逃げれば逃げる程家の中は散らかる。ならば、逃げずとも投げられずに済む所へ行けばいいのだ。アメリカはつまらないだろうけど。
そう、何でもかんでも思い通りにいくと思うなよ。
「おいイギリス~。出てきてくれなきゃ詰まらないじゃないか~」
「投げられる身にもなれ! メリットが全然ないだろ!」
「メリット? なんでだい? 君が幸せになるようにこうしてるのに」
「は、」
嘘くさい。と切り捨てようにも声色が真面目で切り捨てられない。こうやって、幾度も嘘を吐かれたことがあるというのに。
それに。
俺を幸せにしたいなら、お前の手でしてみろよ。
本音としてそう思う。だけど、口に出せるはずもなく。
そんなこと考えただけで自分という人間が恥ずかしい。
自己嫌悪していると、コンコン、とノックされた。答えずに黙ったままいると再度名を呼ばれる。
「そんなに痛かったのかい? 貧弱すぎるぞ、イギリス」
「うるせぇっ! 別に痛くなんかないからな!」
「なら、出てきてくれよ。もう投げたりしないから」
「・・・・・・それでお前が鬼やってくれたらいいんだけどな」
アメリカの言葉に、渋々トイレから出る。思えば、子どもの遊びに本気で抵抗して籠城するとは大人げなかった。
どんな表情をしているか、チラリと見上げるといつもと変わらぬふざけた顔で。
瓢々としているのが何だか気に入らない。此方はこんなにも、振り回されているのに。
「君は本当、幼いな」
「っな・・・!!」
なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだ。
なんて文句は熱い抱擁に雲散霧消して、結果何も言えなくなる。
そして生まれるのは何故こうして抱き締められているのかという疑問。
まぁ、暖かくて有難いけど。
「幸せになっただろう?」
「・・・そんな直ぐになれるわけないだろ、ばか・・・・・・」
「もー。こういうときは嘘でも幸せだって言うべきだろ」
「・・・・・・・・・わせだよ」
これは戯れ言。ならば付き合わなければコイツみたく空気読めないとかいうことになる。それは嫌だ。
けど、素直に言ってやるのも何だかしゃくで自然と声が小さくなる。
確かに、こうして肌を通して伝わる、静かに脈打つ心音に安心したりするけれど。それは動物的なものであり、アメリカ個人に対してではないはず。
「ほら、もっと大きな声で」
「あーもう。幸せだよっ! これで満足かっ」
「ああ」
可也投げ遣りに言ったにも関わらずアメリカは本当に満足したような表情を浮かべ鼻唄交じりにリビングへ戻っていった。
俺もそうだけど、ほんっとにコイツも素直じゃない。
「紅茶冷めてるぞ、イギリス」
「ったく、片付けろよ。お前・・・」
豆の入った器を拾いながら、一応礼を言っといてやろうかとリビングへ向かった。
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